何故生乾きだと臭くなるのか?
汗などで湿った衣類を放置すると非常に臭くなることがあります。脱水後の洗濯物を干さずにいたり、雨の日の部屋干しなどでも生乾き臭がしばしば発生します。
原因は、雑菌類
この臭いは、衣類についた雑菌が皮脂やタンパク質汚れを分解して醸し出されたものであることが殆どです。
乾いたときには臭いが消えていても、それを着て汗をかいたり雨に当たったりすると臭いが復活することもあります。それは残っていた雑菌がその水分を糧にして増えて活動するためです。
対処法は「除菌」
この状態が恒常化すると、普通に洗っただけでは元に戻りません。解消するためには、衣類の汚れ落としと同時に、除菌が必要です。
煮洗い
沸騰した湯の力で殺菌する方法。
水温が高いので石鹸の洗浄力もアップ。綿や麻など丈夫な素材におすすめ。絹やウールなどデリケート素材には使えません。具体的な手順は「煮洗いの方法」をご覧ください。
酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)での殺菌
過炭酸ナトリウムから発生する活性酸素で殺菌。
色柄ものにも使え、煮洗いよりも低温で処理できる。液体と粉末があるが、粉末のほうがおすすめ。液体は炭酸ソーダなどアルカリ剤の追加が必要なため。漂白の仕方は以下の通りです。
- バケツにお風呂の温度より少し熱めのお湯を入れる(40~50度)
- 過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)を振り入れる
- 洗濯で汚れを落とした衣類を液に浸す
- そのまま30分~60分放置する。水温が下がらないよう、バケツにフタをするとより効果的
衣類乾燥機
乾燥機の熱風によって菌を死滅させる。
熱に強く、シワが気にならない衣類向け。洗濯の済んだ衣類を乾燥機にかける。シワになりやすい衣類は、完全に乾く前に取り出して吊り干しで仕上げる。
熱湯消毒
熱湯を衣類にかけることで消毒する。
煮洗いよりも効果は劣るが、バケツや鍋に入らないジーンズなどの大物にも使える。浸けおき不要。
ナイロン、ポリウレタンなど熱に弱い繊維には使えない。熱湯消毒の仕方は以下の通りです。
- 台所のシンクなど、熱湯を流しても大丈夫な所に洗濯済みの衣類を広げる
- 衣類にまんべんなく熱湯をかける
- 冷めるまで放置する。あるいは、ある程度時間がたったら冷水をかけて冷やしてから、脱水する
アイロン消毒
ハンカチなどの小物向け。アイロンをゆっくりかけると、その熱で殺菌できる。
石けん百科&百貨・通信【vol.59】2005.09.01より