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トラブルの原因と解消法
洗濯物の黄ばみ・黒ずみ・臭いは、以下の様な物が衣類に残って酸化するのが主な原因です。
- 洗濯で落としきれなかった皮脂等の汚れ
- 石鹸の溶け残り
- 石鹸カス
石鹸が汚れと反応してできた「酸性石鹸」と、石鹸が水中のミネラル分と反応して出来た「金属石鹸」の2種類があります。
そのような物が衣類に残るのは、石鹸が巧く使えていない為です。以下に、問題が起きやすい洗い方とその解決策を記します。
洗濯物の上に粉石鹸を振り入れ、後は洗濯機任せにしている
このような使い方だと、粉石鹸は十分に溶けません。結果、黄ばみや臭いの元になります。最低水位で粉石鹸を十分に溶かしてから(泡立ててから)衣類を入れる様にしましょう。
洗濯機で溶かしている暇が無い時は、前もって溶かしておく事も出来ます。
※参考→「粉石鹸の溶かし方アイディア」
標準使用量より量を減らして洗っている
環境負荷を減らしたい、節約したい等の理由で石鹸の使用量を極端に抑えているケースです。
確かに石鹸であっても使いすぎは良くありませんが、必要以上に量を減らすと石鹸は洗浄力が出ません。
洗浄力が出ない=使った石鹸がほぼ全て無駄になる、です。却って環境負荷を高める事にもなります。
どんな時でも標準使用量を厳守している
石鹸は、水の硬度や汚れの程度によっても使用量が大きく変わります。「標準使用量」はあくまで目安。「きちんと泡立つ量」が、そのお洗濯に於ける適正な使用量です。
お使いの水道水の硬度は、市町村役場に問い合わせると分かります。
※参考→「泡の状態はどれくらいが目安ですか?」
無添加石鹸「だけ」で洗っている
アルカリ助剤(炭酸塩/炭酸ソーダ)の入っていない「無添加石鹸」「無添剤石鹸」「純石鹸」は石鹸液が酸性に傾き易い傾向にあります。
石鹸はアルカリの環境下で初めて洗浄力を発揮する為、液が酸性に傾くとよく働かなくなります。結果、石鹸不足の状態になったり、酸性石鹸が沢山生成されたりしてトラブルの元になります。
毎日の洗濯にはアルカリ剤入り粉石鹸が適しています。無添剤石鹸しか無い時は、炭酸ソーダを足しましょう。目安としては、粉石鹸の重量の3割~4割を炭酸ソーダで置き換えます。
例:アルカリ助剤入り粉石鹸が100g必要な洗濯→無添剤粉石鹸60g+炭酸ソーダ40g
炭酸ソーダが手元に無い時は、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)で代用できます。
液体石鹸も、殆どの場合アルカリ助剤は入っていません。液体石鹸で洗濯している場合も炭酸ソーダを足しましょう。
洗濯槽に衣類を詰め込んで洗っている
詰め込み過ぎると洗濯物が石鹸液の中で十分に動けず汚れ落ちが悪くなります。また、石鹸液に対して汚れが多くなるという事なので、石鹸不足にもなります。
洗濯機の自動計量に任せて水量を決めるとこの状態になりがちです。水が足りないようなら、洗濯物が水の中を余裕を持って動く程度に手動で変更して下さい。
20℃未満の冷たい水で洗っている
石鹸は水温20℃くらいから水に良く溶け、洗浄力を十分に発揮します。それ以下だと良く溶けず、トラブルの元になります。
※参考→「冷水で粉石けんを使ってはダメ?それはなぜですか?」
石鹸が巧く使えない時は
セスキ炭酸ソーダ等のシンプルなアルカリ剤で洗う「アルカリ洗濯」を試してみましょう。石鹸分が含まれていないので石鹸の溶け残りや石鹸カスによる不具合は発生しません。
アルカリ剤は有機物を含まない為、環境への負荷が低いという利点もあります。
また、セスキプラス、ナチュウォッシュといったアルカリ剤主体のエコ洗剤を併用するのも家事の省力化に役立ちます。
※ナチュウォッシュには、助剤として少量の合成界面活性剤が含まれています。合成界面活性剤を避けたい場合はセスキプラスがお勧めです。