泡は洗浄力の目安です。泡立っていない石鹸液には十分な洗浄力は期待できません。従って、泡立て洗濯は石鹸の使いすぎではありません。
勿論、石鹸を入れすぎて泡が立ちすぎた場合は「石鹸の使いすぎ」と言えますが、その場合には、次回から量を減らして適切な泡立ちになるよう調整すればよい事です。
石鹸は臨界ミセル濃度以下では働かない
石鹸は「臨界ミセル濃度」という濃度以上になって初めて洗う力を発揮します。それ以下だと、洗浄力がガクンと落ちます。
あと50g足せば臨界ミセル濃度を超え、よく洗える状態になる。それなのに、その50gを惜しんだ為に衣類の汚れが落ちなかった。使用した石鹸は役に立たず、衣類は洗い直し。こちらの方が余程勿体ないという見方も出来ます。
石鹸で洗濯する時には、石鹸が洗浄力を発揮できる量を使うのが正解です。泡立ちはその正解を見極める手がかりとなるため、泡立ちが重要なのです。
洗浄力と気泡力
厳密に言うと、洗浄力と気泡力は全く同じ物ではありません。しかしそれらは非常に近いところにあります。従って、実生活では「泡立ち=洗浄力」と考えてほぼ差し支えありません。
溶けていない石鹸は泡立たない
粉石鹸の粒が目に見えなくなっただけで「溶けた」と判断するのは早計です。水中に分散して見えなくなっているだけかも知れません。
水に溶け込んでいない石鹸は洗う力を十分に発揮できません。十分に溶け、その結果として泡が立つ状態となって、初めて洗浄力が出ます。
石鹸をよく溶かさずに(泡立てずに)洗うと洗浄力が十分発揮できず、その石鹸は無駄になってしまいます。
正しい「石鹸の減らし方」
洗濯一回当たりの石鹸量を気にするのでは無く、ある一定期間中の総合的な使用量を見る様にしましょう。
例えば、何回かに1回は石鹸以外の洗浄剤で洗うと、その期間中の石鹸の使用量を大きく減らすことが出来ます。
アルカリ剤で洗う
石鹸ではなくセスキ炭酸ソーダや炭酸ソーダ(炭酸塩)、または過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)で洗濯します。例えば5日の内1日アルカリ剤で洗えば、その期間中の石鹸使用量は2割減らせます。
具体的な洗濯方法は以下をご覧下さい。
→「アルカリ洗濯」
アルカリ主体の洗剤を使う
アルカリ剤での洗濯は石鹸洗濯よりは楽ですが、所謂「普通の洗剤(合成洗剤)」よりは時間や手間が掛かります。
その手間暇が掛けられない場合には、アルカリ剤を主体とした洗濯用洗剤を使うのもよいでしょう。具体的にはセスキプラス、ナチュウォッシュ等です。
※ナチュウォッシュには助剤として少量の合成界面活性剤が配合されています。合成界面活性剤を避けたい場合にはセスキプラスがお勧めです。