ここでは、石けんの洗浄力を最大に引き出す洗濯方法をご紹介します。 ほんの少し、目...
ここでは、石けんの洗浄力を最大に引き出す洗濯方法をご紹介します。 ほんの少し、目をかけ、手をかけ、気を配ることで、仕上がりがずいぶん違います。
二槽式洗濯機でも、全自動洗濯機でも、洗濯の間を通して泡の立ち具合に気を配ることが大切です。
「泡を制するものは洗濯を制す」。
この方法で洗濯すれば、あと2~3回は、セスキ炭酸ソーダや炭酸塩で簡単に洗濯するだけで充分です。 コツをつかんで身につければ、日々の洗濯がきっと楽しくなります。
手洗いするもの、別に洗う色物、などを分けて、洗濯機で一度に洗うものをまとめたら、重さの見当をつけます。 慣れると目分量でわかるようになりますが、慣れないうちは、体重計を利用してきちんと計ってみましょう。
洗濯機の蓋の裏に、洗濯重量と水量が表示されています。 表示されている洗濯重量は、JISの洗濯性能試験での規定の洗濯物を使って決められた重量なので、 実際の洗濯では、表示の洗濯重量の7~8割が適当です。
全自動洗濯機の場合は、洗濯物が水にひたり、無理なく動く程度の量が目安です。 二槽式洗濯機の場合は、水と洗濯物の重さの比率が約25:1、洗濯物が水の中で泳ぐぐらいが目安です。 どちらの場合も、入れすぎるとうまく洗えません。
石けんと違い、合成洗剤の場合は泡立ちが必要量の目安にはならないので、たくさん入れる必要はありません。標準使用量を守ってお使いください。
石けんや複合石けんの場合は、しっかり泡立つだけの量が必要なので、むやみに減らしてはいけませんが、合成洗剤をしっかり泡立ててから洗うと、使用量を減らすことができます。
標準使用量のどのくらいまで減らせるかは、洗い上がりの様子を見ながらいろいろ試してみてください。
異物を取り除くのはもちろん、ポケットの縫い目に入り込んだ砂やほこりも、古歯ブラシで払っておきます。
石けん洗いの前に全体予洗いが必要だとする説明を良く見かけますが、ふつうの汚れでは全体予洗いは不要です。 おむつ、油まみれの作業服、泥まみれの運動着、のように、汚れ方のひどいものだけ、全体を水に浸して予洗いします。 油汚れのひどいものは、セスキ炭酸ソーダを予洗いに使うと、汚れが落ちやすくなります。泥汚れのひどいものは、石けん液で予洗いするほうが良く落ちます。
ワイシャツの衿、袖口、ズボンの裾やポケット口、靴下の底、など、部分的に汚れのひどい場所は、石けんで部分洗いします。 シミのついている場所も同様です。ぬらして固形石けんをこすりつけるか、液体石けんをスプレーするなどして、下洗いしておきます。 衿や袖口の垢汚れには、セスキ炭酸ソーダをスプレーしておくのも良いでしょう。
からみやすいものや傷みやすいものは、洗濯ネットに入れます。
水温は、20℃より低くなると洗浄力が目立って悪くなりますので、お風呂の残り湯を利用したり、水の冷たい時期はお湯を使うなど、工夫しましょう。 最適な温度は衣類の素材によっても違いますが、一般的には30℃ぐらいが適当です。
石けんの分量は、標準使用量を目安として、汚れの種類や状態、水質によって加減します。後から追加する液体石けんの量が多くなっているときには、後から追加しなくてもすむように、はじめに入れる粉石けんの量を増やしてください。前回の洗濯で追加した液体石けんの量に見合う分だけ、粉石けんを多く入れると良いでしょう。(目安としては、液体石けん50mlを粉石けん25gで置き換えると良い)
低水位まで水を入れ、粉石けんがダマにならないように気を付けながら入れます。 粉石けんを入れるときは、粉石けんネットを使って少しずつ溶かすようにすると簡単です。ネットの目が細かいときは、手でもんで溶かします。 ネットを使わず、水を張りながら粉石けんを入れて手でかき回したり、洗面器でかき回して溶かしてから入れることもできます。
粉石けんを入れたら、洗濯機を低水位で3~5分間運転して(洗濯機の撹拌力によって時間を調節してください)、完全に溶かしこみます。(写真1~4)
液体石けんの場合も同様ですが、アルカリ助剤が入っていない場合は、炭酸塩かセスキ炭酸ソーダを同時に溶かします。 なければ過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)で代用します。
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(1)まず、石けん投入 |
(2)1分攪拌 |
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(3)3分ほど攪拌 泡の様子が1分の時と比べて、細かくクリーミィになる。 |
(4)洗濯物を入れ、洗濯物の量に見合った水位まで水を追加。 十分泡立っているのを確かめて、洗濯開始。泡立ちが不足している場合は水面を手で強く泡立てて、できた泡がすぐに消えてしまうようなら石けん不足。石けんを追加して十分泡立てる。 |
ポイント:泡立ちを見て石けんを追加する
洗濯物を入れ、洗濯物の量に見合った水位まで水を追加したときに、 泡が残っていない場合は、石けん不足です。 溶けやすい液体石けんを追加して(粉石けんを追加すると溶け残りやすいので液体石けんを利用する方が無難)、強く撹拌したときにしっかり泡立つ状態にしてから洗濯を開始します。
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A.洗濯開始すると泡がみるみる消えていく。(石けん不足) |
B.溶けやすい液体石けんを加える |
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C.ある時点から泡が立ち始める |
D.しっかり泡立つまで少しずつ追加 |
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E.充分な石けん量でしっかり泡立つ |
洗い時間は繊維の種類や汚れの程度によって加減しますが、ふつうは7分ぐらいで良いでしょう。 軽い汚れは3分ぐらい、ひどい汚れでも10分ぐらいまでで十分です。
洗いの後、脱水してからためすすぎを2回します。すすぎの間にも脱水します。1回のすすぎ時間は3分で十分です。すすぎ時間を長くしすぎると、かえって水中の鉄イオンの影響で黄ばんだり、塩素で色がぬけたりすることもあります。
流しすすぎはすすぎの効率が悪いので、あまり勧められません。
すすぎの水温も、洗濯と同じ温度が適当です。冷たい水では良くすすげません。
最近の節水設計の洗濯機では、すすぎ2回では不十分に感じられる場合もあります。すすぎ不足の場合はためすすぎを1回追加してください。
脱水は、かけすぎるとしわのもとになります。化繊や混紡のもので1分、綿のものは3分ぐらいが適当です。
脱水後は振りさばき、軽くたたんで手のひらで叩くか台上で叩き、小じわをとってから干します。 臭いの原因になるので、脱水後はできるだけすぐに干しましょう。
以上のような石けん洗濯法へ切り替える当初は、一時的に石けんの使用量が増える場合があります。それは、これまでの洗濯で落ち切れていなかった汚れや、衣類に付着していた石けんカス、溶け残りの石けん、酸性石けん、などを落とすのに石けんが使われるからです。しばらく続けていると、石けん使用量が減り、標準使用量程度に落ち着いてくるはずです。そうなると、アルカリ洗濯を活かすことができ、トータルでの石けん使用量や洗濯に使う水量も減らすことになります。
参考資料:
「洗濯上手コツのこつ」婦人之友社,1999
吉永フミ他著「新版 被服整理学」光生館,1988