掃除では混ぜないで! 重曹とクエン酸

重曹とクエン酸を混ぜて排水口掃除?

排水口や台所のゴミ受けカゴの掃除法として、重曹クエン酸を混ぜて泡立たせ、その泡で掃除するという方法が知られています。しかし、この方法はあまりお勧めではありません。

重曹は塩基性(アルカリ性)(注1)。クエン酸は酸性。混ぜると二酸化酸素が発生して泡が立ちますが、その泡はこびりついた汚れを全て剥ぎ取れる程に強力ではありません。

注1)塩基の中で「水に溶けた物」を「アルカリ」といい、その水溶液の性質を「アルカリ性」といいます。塩基は、水に溶けていないものも含んでいます。

塩基(アルカリ)や酸が汚れを落とす仕組み

塩基や酸は、それぞれ違った特徴を持ちます。汚れに応じて使い分けることで効率的な洗浄が出来ます。

塩基(アルカリ)の洗浄に於ける作用例

油脂の乳化作用。たんぱく質の分解作用。酸性の物質を中和する作用。

酸の洗浄に於ける作用例

カルシウム等が主成分の水垢を溶かす作用。塩基性の物質を中和する作用。

混ぜるとお互いの性質を打ち消し合う

塩基と酸を混ぜると、「中和反応」が起きます。中和反応とは、酸と塩基とが反応をして互いの性質を打ち消す反応です。

勿論、重曹(塩基)と、クエン酸(酸)を混ぜてもこれが起こります。

中和反応が起きてしまうと、塩基の油脂乳化作用・タンパク質分解作用は失われます。酸のカルシウム分解作用も失われます。

結論:重曹とクエン酸は別々に使うが吉

重曹とクエン酸を混ぜる事は、それぞれの洗浄力を失わせる行為と言えます。混ぜる事により期待出来るのは、二酸化炭素ガスの発泡によりある程度汚れを緩める程度の効果です。

重曹とクエン酸を掃除に使う時は、それぞれの性質を生かして別々に使いましょう。その方がより効率的に汚れ落としができます。

生活に役立つ中和反応例

掃除や生活に役立つ中和反応も沢山あります。例えば以下の様な物です。

臭い消し

トイレの臭いの原因であるアンモニアは塩基性です。そのため、クエン酸や酢酸等の酸で中和すれば嫌な臭いを大幅に抑えることができます。

バスボム(泡立つ入浴剤)

重曹とクエン酸を混ぜて二酸化炭素が発生する性質を利用した入浴剤は美肌効果や疲労回復に効果があります。市販品もありますが、比較的簡単に手作りもできます。

2020年9月改訂(2009年11月)

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