一通り掃除を終えたら、不潔になりやすい場所や取っ手、ドアノブなどをアルコールスプレー(エタノールスプレー)で拭いておくと衛生的に保てます。
目次
便器の掃除
基本はブラシ洗い
便器は、汚れがついてすぐならサッと擦るだけで簡単に落とせます。
1日1回、便器の内側をブラシでこすっておきましょう。朝一番、あるいは夜寝る前になどと習慣付け、使うついでに手入れするようにすると億劫になりません。
こびりつき汚れ
排泄物などがこびりついて固まると、軽く擦る程度では落ちません。
こんなときは、液体石鹸や基本のアルカリスプレーをトイレットペーパーに十分に含ませて貼り付け、汚れを緩めます。その後に擦り落とすとよいでしょう。
それでも落ちない頑固な汚れは、過炭酸ナトリウムを利用したカビ取り剤を塗りつけて落とす方法もあります。汚れを落とした後は、カビ取りペーストをよく濯ぎ流すか、よく拭き取って下さい。
黄ばみ
石鹸で落ちない黄ばみは擦り落とします。
できるだけ粒子の細かいクレンザーを選びましょう。クレンザーで落ちないようなら、目の極細かい紙ヤスリを使います。目の粗いものは陶器を傷つけるので使ってはいけません。
手洗いボウルの水垢
水周りに付く白っぽい「水垢汚れ」の正体は「炭酸カルシウム」という物質。水に含まれるカルシウム分が固体となって出てきた物です。
カルシウムは金属の一種なのでクエン酸で溶かせます。
付いたばかりの軽い水垢ならクレンザーで擦り落とすことも可能です。
軽い水垢
- スポンジやぼろ布にクレンザーを取り、水垢を擦り落とす。強く擦りすぎて傷を付けないよう注意。
- 基本の酸スプレーをスプレーして拭き取ってもよい。
ガンコな水垢
- ティッシュペーパーやぼろ布などに基本の酸スプレー液を含ませる。
- 水垢の上からパックするように貼り付けて30分~1時間ほど放置する。
- 水垢が落ちたら、その場に酸が残らないよう水拭きして仕上げる。
- 水垢が落ちていないようならパック時間を延長する。
ヒント
水垢(炭酸カルシウム)は、水分が蒸発するとその場に取り残される形で出て来る。水滴の状態の内に拭き取ればカルシウムも水分と一緒に取り除かれるため水垢汚れにならない。
大理石・セメントについて
- 大理石や人造大理石、セメントには酸を使わないこと。カルシウム分が多く含まれる為、酸で洗うと素材が溶けてしまう。
- 柔らかい素材であるためクレンザーで強く擦るのも避ける。これらの素材には水垢予防を心がける。
- 人工大理石の場合は樹脂が主成分なので上記の3素材より酸に強いが、中には天然石を練り込んだ製品もある。酸パックを試したい時は事前に原材料を確かめること。
床掃除
床は思ったより尿で汚れています。まめに水拭きをしましょう。
お酢やクエン酸水溶液を軽くスプレーして水拭きすると臭いが出にくくなります。クエン酸を使用した時は水で丁寧に清め拭きしましょう。クエン酸が残っているとベタ付くことがあります。
トイレマット
トイレマットは定期的に洗濯します。
尿がマットに零れた時は、応急処置として溢した箇所に酸のスプレーを吹きかけてぼろ布などで叩いておきましょう。酸がアンモニアを中和して臭いが出にくくなります。
ただし、中和されたからといって汚れが無くなったわけではありません。出来るだけ早く洗濯するようにします。
消臭
トイレのアンモニア臭の原因は、床や便器に残った尿です。日頃からまめに拭き掃除をして、臭いの元を断っておきます。
なお、住まいの消臭剤として有名な重曹はトイレのアンモニア臭には効きません。重曹もアンモニアもアルカリ性なので、中和して臭いを消すことができないからです。
アンモニア臭
基本の酸スプレーをスプレーし、きれいな水で絞った雑巾で清め拭きをする。
その他の悪臭
- 臭いの原因となっている汚れをブラシや雑巾などで取り除く。基本のアルカリスプレーや液体石鹸を付けて擦るとよく取れる。
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便器にこびり付いた汚れは、基本のアルカリスプレー液や液体石鹸を染みこませたぼろ布やティッシュなどでパックする。
しばらく放置して汚れが緩んだらブラシなどで擦る。
落ちにくいときはクレンザーや目の細かい紙やすりで擦るとよい。 - 特に目立つ汚れがないのに臭うときは、臭いが発生している箇所にアルコールスプレーを吹きかけてから雑巾やぼろ布などで拭う。
トイレ用芳香剤の簡単な作り方
- 耐油性・耐アルコール性のあるスプレー容器に掃除用のアルコール製剤(無香料の製品)を入れる。
- 好みのエッセンシャルオイルを混ぜ込む。
- トイレ掃除の後や、臭いが気になる時にスプレーする。
ヒント
- クエン酸スプレーを使った場合、成分がその場に残るとベタつくため丁寧に清め拭きをする。
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クエン酸スプレーは金属部分に吹きかけないほうがよい。拭き残しがあると、残ったクエン酸が金属を腐食する恐れがある。
金属部分にかかった場合はきれいな水で絞った雑巾で十分に清め拭きをする。 -
酢酸(お酢)は常温で揮発するため、クエン酸スプレーほどには丁寧に拭き取らなくてもよい。
酢酸臭がきつく感じられるときは清め拭きを丁寧にすると臭いが早く治まる。 -
尿が便器以外の場所にこぼれたら、アンモニア臭予防の為すぐに拭き取っておく。
アンモニア臭は、尿に含まれる尿素が分解されてできたアンモニアが放つ臭い。アンモニアが生じる前に尿を拭き取れば臭いも出ない。 -
トイレ用洗剤
市販のトイレ用洗剤には、以下の2種類があります。
- 酸性タイプ
塩酸など強い酸の化学作用によって汚れを分解する
- アルカリ性タイプ
次亜塩素酸ソーダのような酸化剤を使って汚れを分解する
いずれもかなり強力なので、皮膚や目に対する刺激が強くなっています。日頃からこまめに掃除をしていれば、これらは使わなくても大丈夫です。
塩素系薬品を含む洗剤と、酸性タイプの洗剤は混ぜてはいけません。混ぜると有毒ガスが発生します。
浄化槽トイレのお手入れ
なるべく洗剤類を使わないで掃除をしましょう。特に、作用が強力な市販のトイレ用洗剤(酸性/アルカリ性)は使わないようにします。
強力な薬品を使うと浄化槽のバクテリアを死滅させる恐れがあります。また、石鹸やアルカリ剤であっても乱用すると悪影響が出る恐れがあります。
どうしても落ちない汚れにのみ、石鹸やアルカリ剤、酸やエタノールなどを使うようにします。