コンロ周りの油汚れや手垢汚れがよく落ちるとして人気のセスキ炭酸ソーダ。
家庭用洗剤や入浴剤の成分として、また布ナプキンの浸けおき用洗剤としてもよく知られます。
適切に使えば汚れがよく落ち、手荒れも比較的しにくいため家事の初心者さんにもお勧めです。
どんな汚れにも効く万能洗剤という訳ではありませんが、特徴をよく飲み込んで使えば家事や環境への負担を大きく減らす事が出来ます。
化学名 |
セスキ炭酸ソーダ |
化学式 |
Na2CO3・NaHCO3・2H2O |
英語名 |
sodium sesquicarbonate |
セスキ炭酸ソーダの特徴 |
- 炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)と重曹の複塩で、両者の中間的な性質を併せ持つ。
- 無機物のため環境中における生分解は不要。環境への負荷は比較的少ないと考えられる。
- 水に溶け易く、水溶液はpH9.8(1%、25℃)の弱アルカリ性を示す。(炭酸ナトリウムはpH11.2、重曹はpH8.4)
- 温和なアルカリ剤で、絹・羊毛・木綿等の洗浄精練用に用いられたり、浴剤や家庭用洗剤に配合されたりする。
- サラサラした結晶状で扱いやすく、常温で長期間保存してもほぼ変質しない。
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用途の例 |
洗浄剤、入浴剤の配合成分 |
セスキ炭酸ソーダが得意なこと |
「油脂をある程度乳化することができる」「タンパク質をある程度分解することができる」。これが洗浄剤としてのアルカリ剤が得意なことです。
得意な汚れの例
- 皮脂や垢など軽い汚れの洗濯や、ひどい油汚れの下処理
- 血液汚れ(布ナプキンの浸け置き用として適している)
- 台所のベタベタ汚れ
- 取っ手やスイッチ、器物表面の手垢汚れ
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セスキ炭酸ソーダが苦手なこと |
アルカリによる作用が通用しない汚れは落とせません。
苦手な汚れの例
- 激しい泥汚れ(靴下やスポーツユニフォームなど)
- 機械油や口紅などのガンコな油汚れ
- 衣類のシミ(シミには漂白剤が一番効きます)
- カルシウムが原因の水垢汚れ
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使うときの注意点 |
- 手荒れし易い人はゴム手袋をして作業しましょう。アルカリはタンパク質を溶かす作用があります。
- 皮膚に付いてヌルヌルしたときは水で十分に洗い流します。それでもヌル付きが取れない時は、酢やクエン酸を少量振りかけ、よく馴染ませて下さい(酸でアルカリを中和する)。その後、水でよく濯いで下さい。
- 粉や水溶液が目や口に入ったら清潔な水で十分にすすぎ流します。痛みや違和感が残る時は医療機関に相談して下さい。
- 湿気を吸うと固まる事があります。きちんとフタのできる容器で保管しましょう。
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