アルカリや天然界面活性剤
石鹸がなかった時代には、アルカリや天然の界面活性剤で洗濯をしていました。
昔の日本では
界面活性剤を含む植物
ムクロジやサイカチという植物の実が汚れ落としに使われていました。これらは、天然の界面活性剤であるサポニンを含んでいます。
木灰
木の灰を水で溶かしてその上澄み液(灰汁)を利用することもありました。
灰汁はアルカリ性なので、油を乳化したりタンパク質を分解したりできます。この働きによって皮脂や食べこぼしをきれいにすることができたのです。
海外では
古代エジプト
古代エジプトでは、ナトロンという天然の炭酸塩(これもアルカリ剤)や酸性白土という粘土、ハウチワマメという植物の実が使われました。
古代ローマ
古代ローマでは木灰や白土のほか、腐らせた尿も洗濯に使われていたようです。尿の成分である尿素が分解するとアンモニアという洗浄力のある物質になるからです。
アンモニアには刺激臭があるので、そんな臭いの中でのお洗濯はさぞかし辛かったことでしょう。
2022年6月改定(2001年9月初出)