石鹸が必要なほど激しく汚れてはいない。でも水洗いだけではちょっと不安。
そんな洗濯物は「アルカリ洗濯」で洗ってみましょう。
目次
アルカリ洗濯とは
炭酸ソーダ(炭酸塩)やセスキ炭酸ソーダなど、アルカリ剤だけで衣類を洗うことを「アルカリ洗濯」と呼びます。
アルカリ剤は油性汚れを自然乳化(けん化)して落とす働きがあります。また、垢や血液、食品等のタンパク質汚れもある程度落とす事ができます。
アルカリ洗濯のメリット
炭酸ソーダ(炭酸塩)やセスキ炭酸ソーダは水に溶け易い性質があります。その為、石鹸を溶かすような手間は不要。すすぎ水も少なくて済みます。
※アルカリには脱脂作用があります。手荒れしやすい方はゴム手袋をして作業すると安心です。
基本のアルカリ洗濯
セスキ炭酸ソーダの使用量
水30Lに対してセスキ炭酸ソーダ小さじ2~大さじ1(約20g)
入れすぎると洗い上がりがベタ付いたり、臭いが出たりする事があります。アルカリ剤を溶かした水を触ってみて、ほんの少し指先が滑るようなツルッとする感触があれば充分です。
溶かし方
水に溶けやすいので、特別な溶かし込みは要りません。洗濯物と同時に洗濯槽に入れられます。
洗い
- ワイシャツの襟袖汚れや靴下のガンコ汚れなどは石鹸で予洗いし、石鹸分をざっとすすぎ落としておく。
- 洗濯物と適量のセスキ炭酸ソーダを洗濯機に入れ、1分くらい撹拌する。
- そのまま3時間~一晩くらい洗濯槽で浸けておく(注1)
- 浸けおきが済んだら、あとは洗濯機に任せる。「洗い」は3分くらいで充分。浸けおき中にアルカリが作用して汚れが落ちやすい状態になっている為です。
注1:浸けおきに向かない洗濯物もあります。詳しくは、浸けおきについてをお読みください。
すすぎ
すすぎは1回でもOK。すすぎ水に残ったアルカリが気になるときは、最終すすぎ時にクエン酸を少量入れても良いでしょう。
浸けおきについて
浸けおきに向かない洗濯物もあります。例えば以下の様な衣類です。
- 水で色落ちするもの
- ポリエステル、ナイロンなどの化繊、化繊混紡のもの
- 絹やウールなど、アルカリに弱いもの
化繊や化繊混紡のものがつけ置きに向かないのは、一度繊維から離れた汚れがふたたび繊維に戻ってしまう「再汚染」が起こりやすいからです。
なお、上記に該当していても、浸けおきで問題が出ないケースもあります。失敗しても惜しくない洗濯物であれば、試してみてもいいでしょう。
ご注意
上記に該当しなくても問題が出ることもあります。絶対に失敗したくない大事な衣類は浸けおきしない方が無難です。
セスキ炭酸ソーダを使った洗濯アイディア
汚れのひどい衣類の予洗い
本格的に洗う前に、軽く洗う事を「予洗い」と言います。
例えば油汚れのひどい洗濯物。石鹸でしっかり洗う前に、アルカリ洗濯でざっと洗っておきます。アルカリの作用で汚れが緩み、洗い落とし易くなります。
セスキ炭酸ソーダの量は、洗濯機の水30リットルにつき小さじ2~大さじ1位。
汚れを浮かせるのが目的なので長い浸けおきはしなくても構いません。勿論、浸けおきすれば更に効果的です。
ワイシャツのエリ・ソデ汚れのプレケア
セスキ炭酸ソーダ水溶液をスプレーしてしばらく放置。そのあとブラシで軽くこすってから洗濯機で普通に洗います。
ガンコ汚れにはセスキ炭酸ソーダをスプレーしてから石鹸を塗りつけ、ブラシでこすると更に効果的。
絹・毛の手洗い
液体石鹸などの無添加石鹸に加えると、石鹸液が酸性に傾くのを防ぎます。pHも高すぎないのでアルカリに弱いタンパク繊維をそれほど傷めません。
大物の洗濯
水洗いできる大物全般のお洗濯に。
例:少し臭いが気になる寝具(洗えるタイプ)や布団カバー。こまめに洗いたい夏のタオルケットやシーツ。家族全員分のビッグサイズの枕カバー。子供のおねしょ布団。カーテンやカバリング類等。
布オムツの浸けおき
赤ちゃんのオ布ムツの浸けおきも、セスキ炭酸ソーダを溶かしたセスキ水で。臭いもスッキリ落とせます。
布ナプキンの浸けおき
セスキ炭酸ソーダ水溶液に洗濯待ちの布ナプキンを浸けておきます。アルカリの作用で血液がよく落ち、後のお洗濯が楽に。
長く浸けおく時はセスキ炭酸ソーダ水溶液を作り直しましょう。作り直しの目安は1日1回です。その際、布ナプキンもざっと洗って絞ってから浸け直します。