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昭和50年 合成洗剤に関する研究報告(概要)≪補足資料≫

「水の硬度と洗剤の魚毒性」の補足資料。

東京都公害研究所水質部・東京都水産試験場温水魚研究部

II 陰イオン界面活性剤の水棲生物に対する急性中毒

3) 結果

(ヒメダカのTLmの測定)ヒメダカを界面活性剤溶液に接触させると、一般的には死に至る前にヒレの白変、体表からの粘液の分泌等が観察された。陰イオン界面活性剤の蒸留水中でのTLm値を表1に示した。蒸留水中での急性毒性はC12-AS<LAS<C14-AS≒セッケン<C16-ASの順に増大した。また試験水の硬度の影響を検討し、結果を表2に示した。LASは硬度が上がると急性毒性が強くなるが、一方セッケンは急性毒性が減少した。

化合物 TLm24hr
(ppm)
TLm48hr
(ppm)
C12-AS 70 51
C14-AS 5.9
C16-SAS 0.78 0.50
LAS 23 15
セッケン 5.9 5.9

(C12-ASというのはアルキル基の炭素の数が12の高級アルコール系合成洗剤・アルキル硫酸エステルナトリウムのこと。LASは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムのこと。TLmの値が小さいほど毒性が強いことを表します。アルキル基の炭素数が多いほど毒性は強い。 )

(括弧内は筆者註)

表2
  TLm24hr TLm48hr
硬 度 0 25 0 25
LAS 23 13 15 10
セッケン 5.9 >84 5.9
(後略)

(括弧内は筆者註)

この表で分かることは、硬度が0のとき、つまり蒸留水では石けんは5.9ppmの濃さで24時間後にヒメダカの半分が死ぬが、LASでは23ppmの濃さで半分が死ぬ。従ってLASの方が石けんより毒性が小さいことになっています。ところが、硬度を25ppmにしてやると、LASでは13ppmで24時間後に半分が死に、毒性が強くなったことがわかります。

一方セッケンでは、84ppm以上(これより濃い濃度の実験をしていない)になり、途端に毒性が小さくなってしまうことがわかります。TLm48時間の石けんが―になっているのは、48時間経っても硬度25では1匹も死ななかったことだと考えられます。(先の花王の報告の修正によれば、TLm24時間は130ppmになるはずです)

この後、東京都の実験は、炭酸カルシウムを蒸留水1リットルに25mg溶かした硬度25の人工軟水を使っています。硬度の違いがTLm値に影響があるとしたら、常に一定の硬度の水を使う必要があるからです(この文中の硬度には他の硬度に関係する物質をカルシウム換算してある場合があります)。

本ページは「水の硬度と洗剤の魚毒性」の補足資料です。

※このコーナーでは、石川貞二さんの文章をそのまま掲載しています。当「石鹸百科」とは異なる見解が含まれていることがあります。

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