内臓にたまる合成洗剤

「魚が合成洗剤で死ぬのは、魚の鰓に合成洗剤がくっつくからであって、鰓のない人間にはまったく関係のないことです」というのが、合成洗剤メーカーの言い方です。ところが死なない程度のうすい合成洗剤を加えた水中に一日魚を飼っておくと、合成洗剤が内臓に溜まってくるという実験が、東京都公害研究所で行われています。

合成洗剤は、実験魚の肝臓、すい臓、腎臓、胆のう等から高濃度に検出されます。特に胆のうにたまった洗剤は、清水中にもどして二日たっても消えません。それでもメーカーは、魚は水の中に棲んでいるけど、人間は空気中にすみ空気を吸っているから関係ないといいます。メーカーや、メーカーにやとわれている御用学者などは、合成洗剤を皮膚に塗られたネズミが死んでも、それは合成洗剤のために死んだのではなく、合成洗剤で皮膚障害がおこったり、体が弱るために、他の病気にかかりやすくなるためであり、合成洗剤は無害であり、安全である・・・・・・などと断言するのですから、まともに論争する気にもなりません。

ネズミも鰓はないし、空気中にすんでいますが、合成洗剤を背中に塗られたネズミの肝臓や脾臓に障害がおこるという実験はたくさんあります。

最近肝臓の悪い人、肝臓の病気で死ぬ人が非常にふえています。名古屋市立大学の渡教授は、<合成洗剤による肝臓傷害>という表現をしておられます。障害どころか、痛々しく傷ついているのです。

※このコーナーでは、石川貞二さんの文章をそのまま掲載しています。当「石鹸百科」とは異なる見解が含まれていることがあります。