合成洗剤は有害だから使わない

せっけんが洗たく物に残留している場合は、シッカロールと同じ成分になるといわれています。だから、むしろ薬になる位です。一方合成洗剤は、そのものも毒だし、柔軟剤も毒だし、その上発ガン物質の疑いのある螢光増白剤まで入っています。こんなもので自分の子供の肌着を洗う母親よりは、まだコインロッカーに赤ん坊をほりこむ母親の方がましかもしれません。前者はジワジワと健康を害うのに対して、後者はひとおもいに殺してしまうのですから、かえって子供の苦痛は少ないでしょう。

せっけんで洗たくした衣類は、まことに風合がよく、ふんわりと仕上がります。特にタオル地の寝巻きなど、合成洗剤で洗ったままではゴワゴワして、肌の弱い人など痛くて着られない位です。せっけんだとフワフワで気持のよいものです。

静電気もせっけんで洗ったものの方が起りにくいし、洗浄力の問題だけでなく、あらゆる面でせっけんの方が洗浄剤としてすぐれているのです。

ただせっけんが、すぐれた洗浄剤であるというだけの理由で、つまり合成洗剤より、洗浄力も強くて、経済的だという、実利の面だけでせっけんを使っている人は、もし「よりよい合成洗剤」が開発されたら、それにとびつく可能性があるという考え方もあります。従って合成洗剤は有害だから、疑わしいから、使わないという人を増さなくては、石けん運動は根のないものになるおそれがあります。両方の面からの運動が必要です。

鶏鳴11は一部の人達から相当きつい反響がありました。自分では当たり前と思って書いたのですが、確かに考えてみれば犯罪を是認していることになります。でも、今改めて考えてみると、やっぱりそんなに間違っていないと思うのです。

コインロッカーに自分の子どもを置き去りにする母親の気持を考えたら、どんなに悲しかっただろうと思ってしまうのです。この母親を妊娠させた男のことはどうなるの?この母親をこんな無知蒙昧に育ててしまった環境はどんなだったのか。この母親の罪は社会全体の罪ではないのでしょうか。

アンケート調査などで、合成洗剤は有害だと思っている人は75%位いるということが分かっています。悪いことを知りつつ合成洗剤を使う母親の方が、私には許せません。 しかも合成洗剤は環境に出て多くの生物を殺します。

鶏鳴の再録に際して、この部分は割愛したほうがいいのだろうかと悩んだのですが、尤もきつい合成洗剤批判としてあえてそのままにしました。

※このコーナーでは、石川貞二さんの文章をそのまま掲載しています。当「石鹸百科」とは異なる見解が含まれていることがあります。