生活全体の問い直しへ

合成洗剤のショ糖脂肪酸エステルが含まれている食パンを、毎日食べているのに、合成洗剤追放などというのはまことにおかしいという人がいます。合成洗剤追放をいう程の人なら、知らないから食べているのでしょう。もし知ったら、やはり乳化剤などの入っていないパンを選ぶでしょうし、さらには、他の食品添加物など、一切のものに気をつけるようになるはずです。合成洗剤追放運動というのは、まさに生活態度全般にかかわる問題なのです。少しでも手間を惜もうとするグータラ人間どものために、企業は次つぎに新製品を提供し、科学者と呼ばれる人達が、それに協力します。しかし、自分や家族の健康に関心があるなら、現在市販されている加工食品類にたいしても、きびしい選択がされるはずです。

最初にちょっと述べましたが、最も安全といわれている合成洗剤・ショ糖脂肪酸エステルは、食品添加物として、無制限に使用が認められているますが、新潟の河辺医院付属環境医研での実験で、ビタミンAを筋肉注射したマウスの胎仔奇形率が、ショ糖脂肪酸エステルを0.5%添加した餌で飼育することにより、明らかに増加することが判明しています。無添加の飼料の場合2.0%であった四肢異常胎仔は36.6%になり、4.9%であった口蓋裂胎仔は、20.4%と増加します。われわれは、できるだけ、文明が作り出した怪しげな化学物質から遠ざった生活をしたいものです。

※このコーナーでは、石川貞二さんの文章をそのまま掲載しています。当「石鹸百科」とは異なる見解が含まれていることがあります。