乳幼児の皮ふを侵す合成洗剤

日本中の半数近い主婦が、合成洗剤で手が荒れたといっており、学校給食調理員さんの場合は、70%もの人が手が荒れるといっているのに、メーカーは合成洗剤で手が荒れる人は特異体質だといっています。手荒れがないという主婦がいるとしたら、おそらくハンドクリームを使っているのでしょう。もし何の手だてもしないで、合成洗剤を使っていても手が荒れないという人がいたら、その人の方が特異体質だというべきでしょう。

あるいは、中には本当に合成洗剤で手が荒れない特異な人もいるのかもしれません。しかし、そういう人の方が、本当は気の毒なのです。手が荒れる人は、色々変えてみて、最終的には無害なせっけんにたどりつきますが、荒れない人は平気で使い続けます。そして合成洗剤の害の本当のこわさは、表面にあらわれる皮膚障害よりも、体の中への浸透なのです。浸透のことは少しあとまわしにして、皮膚障害のもう一つの問題は、洗たく物に残留する合成洗剤の害です。これは特に皮膚の弱い乳幼児にとっては大問題で、おしめかぶれがその代表的なものです。日消連で頒布している牧野先生の写真集をぜひ見てください。

合成洗剤で洗うと、俗に風合(ふうあい)が悪いといって、仕上がりがゴワゴワになります。そのために柔軟剤が売られています。柔軟剤は毒ですし、さらに布の吸水力を6分の1に減らすといわれます。こんなものが、おしめに良いわけがありません。

※このコーナーでは、石川貞二さんの文章をそのまま掲載しています。当「石鹸百科」とは異なる見解が含まれていることがあります。