無リン合洗は まし、ではない

日本石鹸洗剤工業会が、毎月出しているPR誌にクリ-ン・エイジというのがあります。1982年3月号に「リン酸塩を合成洗剤のビルダ-として使用することは、世界各国の普通の処方になっていましたし、リン酸塩ほど安全で洗浄力を増す化学物質は見当たらないのが実情です」と書いてあります。すでに無リン・低リン洗剤を鳴物入りで大々的に販売している最中に、実情即ホンネをもらしてるのです。くりかえします。「リン酸塩ほど安全で洗浄力を増す化学物質は見当たらないのが実情です」

現在売られている無リン洗剤は、決して含リン洗剤からリン分を除いただけではありません。リン酸塩に代わるビルダ-(助剤)を使っているのです。そしてそれらのビルダ-は、リン酸塩よりも危険で、洗浄力も増さないと、メ-カ-は断言しているのです。

栄養である部分のリン酸塩を除いて毒である合成界面活性剤をそのままにした上、さらに安全とはいえない助剤を加えたようなものを、なんで行政までがあとおししようとするのか、理解に苦しみます。含リン洗剤中のリン酸塩だけとり出して水に溶かし、指を浸していても別に少しふやけるだけで大したことはありませんが、合成界面活性剤の部分をとり出して同じことをしたら指はえらい目にあいます。無リンが以前のものより良いものみたいな宣伝が目立つので、再度実情をお伝えしました。

※このコーナーでは、石川貞二さんの文章をそのまま掲載しています。当「石鹸百科」とは異なる見解が含まれていることがあります。