固形石鹸がふやけたり乾燥したりを繰り返すと、表面にひびが入ってきます。このとき、...
固形石鹸がふやけたり乾燥したりを繰り返すと、表面にひびが入ってきます。このとき、ひび割れの向きが同じ方向に揃うことがあるのはなぜでしょうか。それは、その石鹸の製法に理由があります。
工場で固形石鹸を成型するには、機械練り法と枠練り法の2種類があります。
チップ状にした石鹸素地に香料などを加えて機械で練り混ぜ、棒状に押し出してから形を整える方法。浴用石鹸など化粧石鹸に多く使われている。
石鹸素地が熱くて軟らかいうちに助剤などを加えて混ぜ、枠の中に流し込む。そして自然に冷えて固まるのを待って切りわけて成型する方法。どちらかというと洗濯石鹸など家事用石鹸によく使われる。
機械練りの石鹸は、機械で棒状に押し出されていくときに石鹸の結晶の向きが揃って、押し出される方向(縦)に並んでいきます。ひび割れるときにはその結晶の境目に沿って割れますから、縦にひび割れが揃うのです。
これに対して、枠練りの石鹸はひび割れしにくく、ひび割れたとしてもその方向に規則性はありません。これは、枠の中でゆっくりと冷えて固まるので石鹸の結晶が大きく成長するから。機械練りのような細長い結晶がぎゅっと圧縮されてくっついているわけではないので、ひび割れにくく、水でふやけたり溶け崩れたりもしにくいのです。
枠練りに比べてひび割れやすく溶け崩れやすい機械練り石鹸。こう書くあまり良くない石鹸のようですが、そんなことはありません。水でふやけやすいと言うことは、濡らして少しこするだけで簡単に泡立ってくれるということ。忙しい朝の洗顔や手洗いにはぴったりです。化粧石鹸に機械練りが多いのは、このような理由があるからです。
ひび割れを防ぐには、使ったあとによく水を切っておくことです。最後まできれいな姿で使えるよう石鹸置きなども水切れの良いものを選びましょう。
2009年11月11日