ヘナ(ヘンナ/henna)とは?
ヘナ(ヘンナ/henna)とは西南アジアから北アフリカにかけて自生するミソハギ科の植物。和名は「指甲花(しこうか)」「ツマクレナイノキ」といいます。
この植物の葉を乾燥し細かい粉末状に加工したものが私たちが目にするヘナ製品です。水で練ってペースト状にし、それを髪の毛や皮膚に塗りつけて色を染めます。
ヘナの歴史
ヘナは旧約聖書にも登場しています。
19世紀ペルシャやインドの女性たちにも愛用されました。彼女らは髪の毛だけでなく手の平や指先もヘナで染めていました。
エジプトや中近東では、結婚式やお祭りのお洒落としてヘナでのマニキュアやボディペイントが今も行われています。
また、ヨーロッパでもヘアトリートメント、染毛剤として古くから普及しています。
ヘナで髪が染まる理由
ヘナで髪が染められるのは、その葉にローソン(Lawsone)またはヘンノタンニン酸(hennotannic acid)と呼ばれるオレンジ色の色素を含んでいるためです。
lowsoneはタンパク質と結合する性質を持っています。それを利用してケラチンというタンパク質が主成分である髪の毛や皮膚、爪を染めることができます。
ヘナで染めると白髪は赤っぽい茶色に発色し、黒髪は茶色がかったツヤが出ます。
ヘナの色素lowsoneは、髪の表面を被うキューティクルの内側にあるコルテックス(毛皮質)のタンパク質と結合して髪に色を付けます。そのため一度染まると色が長持ちします。
よって、ヘナは酸化染料を使ったヘアカラーと同じ「永久染毛剤」に区分されます。
ヘナのメリット・デメリット
メリット
- ヘアトリートメントのような作用があり、酸化染料タイプのヘアカラーほど髪を傷めない。
→染毛ではなく、ヘアトリートメント目的にのみヘナを使う人もいます。 - 髪が非常に傷んでいたり、酸化染料の染毛剤に髪質が合わない人でも比較的安心して使える。
- 酸化染料だと頭皮がかぶれる、アレルギーが出るという人でも使える。
→ヘナの成分が体に合わないとトラブルが起こります。使用前に必ずパッチテストをしましょう。皮膚の反応は体調によっても違います。染める度にテストするのが安心です。
デメリット
- カラーバリエーションが少ない。
- 常に安定した色を出すのが難しい。
- 濃い髪色を薄くできない(脱色作用がない)。
- 染め時間が長い(1時間以上)。
- ヘナ染めを取り扱っている美容院が少ない。
ヘナ製品を買う時の注意点
市販の「ヘナ製品」の中にはヘナが主原料では無い製品もあります。
例えば、酸化染料を主体にしたヘアカラー製品に少しだけヘナ粉末を混ぜて「ヘナ染め」と表示するようなケースも。酸化染料を避けたいときには全成分をよく確認しましょう。
ヘナ染めやパッチテスト、その他のヘアケアについては「読んで美に効く基礎知識/髪の毛のダメージを防ぐヘアケア方法って?」もご覧ください。
ヘナで髪を染めるときの注意点
- メーカーや製品、ブレンド原料によって染まり方が違う場合があります。使用前に説明書をよく読んでください
- ヘナで染めた髪をタオルで拭くと茶色い色が付きますが、洗濯すれば落ちます。
- 染めてから日数がたつにつれ、濡れ髪を拭いてもタオルに色は付かなくなります。
- 初めてのヘナ染めでは染まりにくい事があります。何度か染めるとよく染まるようになる場合が多いようです
- 使用中にに火照りやかゆみなど皮膚の異常を感じたらすぐに洗い流し、必要なら皮膚科を受診してください。