アルカリ洗濯のメカニズム(1) 皮脂汚れの除去

人体から出て衣服に付く汚れには、皮脂、汗、垢、血液などがあります。このうち、皮脂の成分は次表のようになっています。

皮脂成分(w/w %) 
トリグリセリド 遊離脂肪酸 コレステロール等のステロール類 脂肪族アルコールの脂肪酸エステル スクワレン 脂肪族炭化水素
32.5 30.0 7.5 15.0 5.0 7.5

出典:中西他、「被服整理学」朝倉書店,1990, p.8

トリグリセリド(注1)と遊離脂肪酸(注2)がそれぞれ3分の1を占めていることがわかります。

皮脂汚れの約3分の1を占める遊離脂肪酸は、アルカリ性の洗浄液に接すると石鹸となって水に溶け、衣服から離れてゆきます。アルカリによって遊離脂肪酸から形成された石鹸は、トリグリセリドなどほかの油汚れを落とすためにも、プラスのはたらきをします。

注1 トリグリセリド:中性脂肪の一種。3つの(tri-)脂肪酸分子がアルコールの一種であるグリセリン1分子と結合してできる。動植物の組織に含まれる油脂(ほとんどが中性脂肪)の80%以上、皮脂の40%はこのトリグリセリドで占められる。

注2 遊離脂肪酸:他の物質と結合しないで、単独で存在している(=遊離状態にある)脂肪酸のこと

図解

25℃Na2CO3水溶液で脂肪酸混合物汚れを洗浄した際の各脂肪酸成分の除去率

出典:小谷・新・藤井・奥山, 油化学, 27, 7, 450-453,1978

実験によれば、炭酸ソーダ(Na2CO3)濃度が0.05%~0.1%(水30リットルに対して炭酸ソーダ15~30gを溶かした濃度に相当)のあたりから、脂肪酸汚れが良く落ちていました。

アルカリ剤の濃度は、濃すぎても逆に汚れ落ちが悪くなるということを覚えておきましょう。

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2009年11月改訂

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