ニセ科学と石けんの諸問題 -洗浄の科学とシャボン玉石けん-

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企業倫理の不確かさ

企業の方針転換はどんな業種においてもあり得ますが、その場合は以前の方針を何故変えたのか消費者にきちんと説明しなければなりません。シャボン玉石けんはその点において消費者に誠実でしょうか。

新商品に関するシャボン玉石けんや森田氏の発売前の見解と商品発売時の謳い文句を比較しながら検証を行ってみましょう。

● 広告宣伝について

森田徳光著「自然流せっけん読本」農文協 より

「テレビや新聞で広告すれば、その広告費を完全に取り戻すことは到底できることではない。宣伝費というのはバカにならない。」

「商品が良いから売れるのではない。コマーシャルの露出度で、売れ行きが決まるのである。」

「巨額の宣伝費を使い、うまくムードを作ったほうが勝つ。品質は関係ない。」

現在シャボン玉石けんのTVコマーシャルは非常に目立つ時間帯に流され多くの人が目にしていますが、その巨額の宣伝費はどこから出ているのでしょう。製品価格に転嫁されてはいないのでしょうか。
http://www.shabon.com/pickup/index.php?catid=31&blogid=7

● せっけんハミガキの製造・販売開始(2001年8月)

発売前の見解
「友の会だより」No.4(1992年9月1日号)から

Q.歯磨きの中に合成洗剤が含まれていると聞いたので、石けん歯磨きに切り替えたいのですが

A.どちらも百害あって一利ありません。水とブラシだけで歯を磨いて下さい。一日三回、食後三分以内、一回三分間、丁寧にみがく事が歯周病の予防になります。

商品発売時の謳い文句
「友の会だより」No.64(2001年8月15日)から

「無添加の石けんから作った健康な歯を守る、やさしいハミガキです。」

シャボン玉石けんが石けんハミガキを製造販売すること自体には特に問題はありません。が、それまで他社の石けんハミガキ(エスケー石鹸や太陽油脂製品など)を「百害あって一利なし」とこき下ろしていた事に対して何らかの形で謝罪し、けじめを付ける気持ちはないのでしょうか。

● 液体石けんの製造・販売開始(2005年7月)

発売前の見解
「自然流せっけん読本」より

「便利さだけを追求して、汚れを良く落とし清潔を目的とする石けんを、わざわざ汚れ落ちの悪い石けんにするのは感心しません。このような発想は、合成洗剤メーカーの発想と同じです。」「私が台所用や給食用の石けんを液体にせずに、かたくなに粉・固形で押し通してきたのも、この容器公害を防ぐためであった。」

商品発売時の謳い文句
「友の会だより」No.93 2005年4月1日 巻頭での森田氏談より

『私は今まで液体ものの製品を拒否してきました。その最大の理由は「水もの」は腐る恐れがあるので、防腐剤や殺菌剤などを使用しなければなりません。』「そしてこのたび、防腐剤無添加の液体商品の製法を確立しました。」

pH10前後(弱アルカリ性)の液体石けんに防腐剤は特に必要ありません。事実、何十年も前から無添加液体石けんは他社によって製造販売されてきました。また、液体石けんを作らない理由として挙げていた洗浄力や容器公害問題をいつのまにか防腐剤や殺菌剤添加の問題にすり替えています。

巧みな宣伝広告によりシャボン玉石けんが老舗の石けんメーカーで鹸化法も同社の専売特許だと信じている方が多いのですが、同社が石けん製造を始めたのは1975年(昭和50年)、石けんメーカーとしては最も後発の部類です(それ以前は合成洗剤の製造販売会社)(*2)。

後発であることは恥ではありませんが、「シャボン玉石けんは鹸化法、他社は中和法」(「友の会だより」No.53 )と事実ではない宣伝をしたり(*3)、無添加液体石けん開発を同社の手柄のように喧伝するのはそれまで地道に石けん作りを続けてきた他社に対して大きく礼を欠いた恥ずべき態度であると言えます。

(*2)日本の主要石けんメーカー(当時)の創業年は以下の通り:
花王石鹸(明治23年)、ライオン(明治24年)、玉の肌石鹸(明治25年)、牛乳石鹸(明治42年)、エスケー石鹸(大正7年)、暁石鹸(大正11年)、松山油脂(昭和5年)、まるは油脂化学(昭和20年)、太陽油脂、ボーソー油脂(昭和22年)

(*3)日本で最初に鹸化法によって石けんを作ったのは石けん職人村田亀太郎(1864〜1922年)です。明治23年(1890年)村田によって完成された塩析法はその後、長瀬富郎(花王石鹸)、保々誠次郎(芳誠舎→玉の肌石鹸)たちに受け継がれ、さらに上記の石けん製造会社などに引き継がれました。

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