ニセ科学と石けんの諸問題 -洗濯用「無添剤」石けんの問題点-

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家庭用軟水器と塩化物について

*塩化物とは?

塩化物とは、塩化ナトリウム(食塩・岩塩)や塩化カリウム(錠剤や結晶として知られる)を構成する2成分のうちのひとつです。

*塩化物はなぜ水に害があるのか

水中に過剰の塩化物が含まれると、農作物に被害が出ます。葉が焼けたり、細胞が干上がって死んでしまい、収量が減ります。水生生物にも悪影響を与えます。

*サンタ・クララ川の塩化物濃度を下げなければならない理由

ロサンゼルス地方水質コントロール委員会(The Los Angeles Regional Water Quality Control Board)では、サンタ・クララ川水中の塩化物濃度を1リットルあたり100mgと規定しました。この限度は下流の農作物(特にアボカド、イチゴなどサンタ・クララ川からの潅漑が必要な繊細な作物)を守るために必要であると同委員会では発表しています。加えて、サンタ・クララ川は絶滅の危機に瀕している多くの生物が住んでいます(steelhead trout, Santa Ana sucker, the unarmored three-spine stickleback fish, and the Southwestern Arroyo toadなど)。現在のところこの川に排出される水に含まれる塩化物濃度は、規定量の倍です。

*塩化物がサンタ・クララ川に流れ込む過程

サンタクラリタ市では、皿洗いやシャワー、洗濯、トイレの水その他で使われた水、いわゆる下水は下水道に流れ込みます。そこから、Saugus Water Reclamation Plant か、the Valencia Water Reclamation Plantへ、下水処理のため送られます。これらの処理施設はロサンジェルス郡の衛生局の管轄で、処理が終わった排水はサンタ・クララ川に流れます。しかし、この処理施設は不純物や汚染物質は取り除くが、塩化物を取り除く能力はないので、下水に含まれた塩化物はそのまま川に流れ込むことになります。

*サンタ・クララ川の塩化物濃度が上がるのは、企業や工場などから出る排水のせいではないですか?

違います。サンタ・クララ川に流れ込む塩化物のほとんどは、家庭排水からのものです。水道水に元々含まれている塩化物と、軟水器の再生によって発生する塩化物が主な原因です。石けんや洗剤、その他の洗濯用品からも、ほんの少しですが塩化物は排出されます。
 
企業活動による塩化物の排出は、衛生局によって規制され管理されています。サンタ・クラリタの事業所は、1961年より自動再生装置付き軟水器の使用を禁じられています。

*サンタ・クララ川の塩化物濃度を下げるためには、どうしたらよいですか。

自動再生装置付き軟水器(岩塩軟水器)を持っているなら、まずその電源を切って下さい。そうすることで、軟水器から出る塩水の排水(brine)が下水道に流れるのを防げます。できるだけ早く使用を止めて、硬水対策には別の方法を探して下さい。

塩素系以外の漂白剤を使うようにし、洗濯用洗剤や柔軟剤にも塩化物は含まれていますから使いすぎないよう注意しましょう。環境に配慮した洗剤などは、ほとんどの小売店で手に入れることができます。

*自宅の軟水器が自動再生型であるかどうかを調べる方法は?

自分自身で、あるいは契約している軟水器メンテナンス会社が軟水器内に定期的に塩かポタジウムを補給していれば、自動再生型です。メンテナンス会社が軟水器内の水タンクを定期的に交換しているようなら、自動再生は行われないportable exchange tank system型でしょう。

*でも、再生機能付き軟水器を使いたいんです。使っても良いですか?

使えないことはありません。しかし、衛生局は、新たに自動再生機能付き軟水器を設置する行為をすでに禁じています。また、衛生局は全ての自動再生機能付き軟水器ユーザーに対し、使用を止めるよう啓蒙活動を行っています。

現在使用中の自動再生機能付き軟水器が壊れても、同機種に交換することはできません。他の方法で硬水対策を行ってください(下記参照)。サンタ・クラリタ・バレー内で転居した場合、手持ちの自動再生機能付き軟水器を転居先で使うことは許されません。もしもこれに違反した場合は、1000ドル以下の罰金および/または30日以内の懲役が科せられます。

*塩の代わりに、塩化カリウムを使えば大丈夫ですか?

いいえ、塩化カリウムにはナトリウムは含まれていませんが、塩化物は含まれていますから駄目です。

*軟水器からの排水を、下水に流さずに庭の散水などに利用するようにすれば良いのではないですか。

塩水を含む排水で庭に水やりをすることは全くお勧めできません。これは、塩化ポタジウムを使っていても同じです。塩を含む排水で散水するには、ロサンゼルス地方水質コントロール委員会(The Los Angeles Regional Water Quality Control Board)の許可が必要です。それには費用がかかる上に、多くの制限が課せられるので、非常に使いにくいことになるでしょう。

*自宅の水質にはどうしても不満があります。自動再生機能付き軟水器なしで、どうしたらいいんですか。

代わりの手段はいくらでもあります。軟水が欲しいのなら、タンク交換式の軟水製造システムを設置するのもよいでしょう。再生に塩を使わない方式を採用している軟水器会社もあります。その他、濾過式、活性炭方式、逆浸透方式など、硬度対策の他にも水質向上のために取れる手段は色々あります。

濾過式は、平たく言うと、水中の不純物を機械的に濾し取る方法です。水に溶けない材質で、小さな穴が沢山空いた層状の物がフィルターとして使われます。型に流し込んで作られた物や、薄いシート状、人工膜、プラスチックにごく小さな穴を沢山開けたもの、不活性粒子をあるサイズに固めた物など様々な種類のフィルターがあります。シルト(砂より細かく粘土よりは粗い沈積土)、粘土、コロイド粒子や一部の微生物が濾過式で取り除けます。水が少し濁っているのでどうにかしたいというだけなら、この類のシンプルなカートリッジ式濾過システムでも充分に効果的です。

活性炭方式は、プラスとマイナスが引き合う力を利用して、電荷を帯びた物質を別の固体表面に電気的に引っ付けてしまう方法です。産業廃棄物や化学物質、農薬などに起因する汚染物質を除去する手段として広く利用されています。また、腐敗した有機物・水に溶け込んだガス・残留塩素などによる不愉快な味や臭気を除くこともできます。

逆浸透方式は以下のような方法で不要なミネラルを取り除きます。まず、半透膜を間にはさんだ2つの区画の一方に、塩分その他のミネラル分が含まれたままの「生水」を入れます。次にその水に圧力をかけると、水分子は膜を通り抜けてもう一方の「処理水」用区画へ流れ込みます。膜を通り抜けられずに元の区画に取り残された塩分その他の不要なミネラル分は、残った水分と共に処分されます。半透膜は分子レベルで水を濾過するので、ミネラル分を取り除くことができるのです(100%取り除けるわけではない)。

何か分からないことがあれば、アメリカ地下水トラスト(The American Ground Water Trust)や、州の保険局、井戸掘削の担当部署や地方の保健所(?)、あるいは地下水関連企業の専門家などに助言を求めましょう。直接答を貰えなくても、信頼できる試験機関を紹介して貰えることもあります。とにかく、まずはきちんとした水質調査結果を手に入れることです。あなたの使う水の化学的性質を理解し、それについてどのような手を打てるかを分かり易く説明し、あなたの家庭の水事情を細かく気にかけてくれる専門家を探しましょう。有名な水質改善器機だからと飛びつく前に、その会社の情報を入手し、複数の会社製品と比較検討するのも大事です。お近くの商業改善協会(Better Business Bureau)に、気になる会社の評判を尋ねてみるのも有効でしょう。

(以上の情報は、アメリカ地下水トラスト(The American Ground Water Trust)より提供されました)

*衛生局が大元で軟水器を取り付けて水道水を軟化してくれればいいのでは?

飲用水の水質改善や各家庭への配水は衛生局の仕事ではありません。水道水に関する業務は、サンタ・クラリタ・バレーの水道水担当部局に任されています。お尋ねのような件は、それらの部局に連絡して下さい。

全ての水道水の硬度調整をするのは、非常に手間がかかり、また高く付きます。何故なら、この地域の飲料水の約半分は硬度の高い地下水を井戸で汲み上げて水源としているからです。これらを水源近くで軟水化しようとすれば、地域全域に散らばるこれらの汲み上げ井戸全てに水質調整のための機材を付けて回るか、新たに大規模な水質調整施設を建設せねばなりません。

そして最も重要なのは、大部分のサンタ・クラリタ住民はそんなことを望んではいないということです。自動再生機能付き軟水器を使用している家庭は、ごく少数派なのです。

*現在の下水処理施設で塩化物も取り除けるようにできないのですか。

マイクロフィルターや逆浸透膜を使えば、できないことはありませんが、現在家庭から排出されている塩化物全てを処理するための施設建設には約30億ドルかかります。この費用の内およそ50%は脱塩化物処理によって発生した排水を海へ運ぶための下水管46マイル(約74キロ)分の敷設と、水面下3マイルにパイプを敷設することに費やされます。

*衛生局が塩化物処理のための施設を新たに建てると、下水料金は上がりますか?

上がります。この類の新施設設置のためのコストはサンタ・クラリタ・バレーの住民とそこで活動する企業の負担になり、対象となる世帯・企業全てで均等に負担したとしても、下水料金は現在のおよそ3倍になります。もしも自動再生機能付き軟水器の使用世帯だけで負担すると、下水料金は一世帯当たりおよそ2000ドル/年になります。

*まだ分からないことがあるのですが、どこに質問すればよいですか。

衛生局にお電話下さい(フリーダイヤル1-877-CUT-SALT)。以下の塩化物に関する啓蒙サイトをご覧頂くのも良いでしょう。(www.lacsd.org/chloride.

 

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