ニセ科学と石けんの諸問題 -洗浄の科学とシャボン玉石けん-

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生活と科学社からシャボン玉石けんへの再質問状

1999年9月30日

シャボン玉石けん株式会社
代表取締役 森田 光徳様

(株)生活と科学社
代表取締役 猪ノ口 幹雄

前略 先日はお忙しい中ご回答をいただきまして、ありがとうございました。
厚く御礼申し上げます。

さて、いただきましたご回答に関しまして、肝心なところが全く無視されているために、どうしても下記の点についてお答えをいただきたく再質問致します。

質問 1.
回答1に『炭酸塩につきましては、合成洗剤に添加されている「酵素」や「蛍光剤」とは同列には考えておりません』とありますが、前回にも指摘しました「シャボン玉友の会だより」No.42の書き方(資料(1))が同列に考えるということではないのですか。炭酸塩について知らない人がこれを読めば、ほとんどの人が炭酸塩は危険なものだと思いますよ。

実際に弊社のところへ、森田社長の講演を聞いたという人から、「炭酸塩入りの粉石けんは大丈夫か」との問い合わせが少なからずあるからです。

したがって、御社に本当に炭酸塩を攻撃する意図がないならば、シャボン玉友の会だよりやカタログに「炭酸塩入りの粉石けんを通常に使用する程度では、環境中に負荷を与えない」ことを誰にでもわかるように明記する責任があると思いますがいかがでしょうか。

質問 2.
森田社長は純石けん分が高い石けんの方が高品質であるとお答えになっていますが、確かに化粧石けんやシャンプーにおいてはその通りだと思います。

はたして洗濯用石けんにおいて、単純に純石けん分が多いほど高品質だといえるのでしょうか。

石けんを使う目的は、当然のこととして汚れを落とすことです。石けんは環境にも人体にもやさしい界面活性剤として長い歴史を持っています。

洗濯にとって問題になるのが、水に含まれる金属イオン(一般にミネラルといわれるカルシウムやマグネシウム)です。金属イオンは陽イオンの性質を持ち、洗剤と反応して金属カスをつくります。特に石けんは強く反応します。

石けんや合成界面活性剤は、そのほとんどが陰イオンです。洗濯液が酸性に傾くと、洗浄力が大きく落ち込みます。汚れがひどく、ホコリ、泥や体からの汗などに混ざって金属イオンが洗濯物につくと泡立ちも悪くなります。
予洗いをすれば汚れも金属イオンも洗い流し、石けんの使用量も少なくてすみ、黄ばみも防げます。

合成洗剤は金属封鎖剤として、かってはリン酸塩を使い、富栄養化で環境汚染を起こすと、いまは「無リン」としてゼオライトを入れ新たな環境汚染問題を起こしています。

炭酸塩は汚れ物による洗濯液の酸性化を防ぐために加えられるアルカリ剤で、粉石けんには20~40%入っていて、石けんカスの発生を防ぐために重要な役割を果たします。炭酸塩は食塩(海水)と炭酸ガスから作られた無機物ですから自然を汚すことのない物質です。

炭酸塩無添加の洗濯用石けんは、毛・絹などのおしゃれ着の洗濯に適したもので、一般衣料用の洗濯にとっては高品質なものとはいえません。

洗濯用石けんにおいて、高品質というのは、環境に負荷を与えない、使いやすく、洗浄力の良いものだと思いますがいかがでしょうか。

質問 3.
御社のいう高品質の石けんとは、高価な軟水器のようなものを使わないと使えない石けんのことをいうのでしょうか。

御社が最近熱心に購入を奨めている軟水器を使えば、金属カスの問題は解決するでしょう。しかし、軟水器は10数万~20数万円もの価格で、毎月数千円の維持費がかかります。

森田社長は、著書「自然流せっけん読本」の中で、ゼオライトについて次のように書いておられます。「ゼオライトは硬水を軟水にする作用があるが、日本の水は軟水だから必要のない物質である。」と。(「自然流せっけん読本」69ページより)

「シャボン玉友の会だより」No.36では「水道水に含まれる硬度分は肌荒れの原因や石けんの洗浄力を妨げる石けんカスのもと。この硬度分をイオン交換でとりのぞきます。」と軟水器の購買をあおっておられます。

ミネラル成分を肌荒れの原因にする乱暴さにはあきれるのみですが、世界でもまれにみる軟水地域である日本での一般家庭に高価な軟水器の使用を強いる感覚は許しがたいものです。

「自然流せっけん読本」にお書きになった内容とは全く矛盾しますが、説明して下さい。

質問 4.
回答2に、「高校程度の化学を理解されている方は、炭酸塩と炭酸ソーダが同じものであることは周知と思います。」とありますが、高校程度の化学を理解している人は少ないです。

「シャボン玉友の会だより」No.42(別紙参照・資料(1))には、「わが社の酸素系漂白剤は過炭酸ナトリウムです。水に溶けると過酸化水素と炭酸ソーダに解離し、この過酸化水素の中から酸素が出て漂白効果があらわれます。

―中略―

酸素系漂白剤は弱アルカリ性ですので、お肌にも刺激が少なく、又台所でまな板や布巾の消毒、洗濯機の定期的な掃除にもご使用いただけます。」と書き、炭酸塩については、「炭酸塩―アルカリ性が強く、洗浄補助剤として使用されます。大量に使用すると、河川や下水処理に影響を与え、皮膚特に目粘膜に直接触れると危険です。」と書いてあります。

これを読めば、炭酸塩、炭酸ソーダを意図的に使い分けて、酸素系漂白剤が安全であり、炭酸塩が危険であるとの印象を与えようとした、と考えざるを得ません。

改めて質問します。なぜ酸素系漂白剤が良くて、炭酸塩が悪いのか。「シャボン玉友の会だより」No.42(資料(1))にはそのように書いてあるのですから、明確に説明してください。

質問 5.
私がお送りした別冊宝島No.304「洗脳されたい」には、アムウェイやヤマギシ会、自己開発セミナーなどとともに「波動」についても、洗脳商法として厳しく批判しています。

「シャボン玉友の会だより」No.34(資料(2))には、御社のシャボン玉浴用石けん・スノール・ベビーソープとライオンのハイトップの波動測定値なるものを載せ、御社の石けんの波動が良かったという内容になっています。

「シャボン玉石けんはすべて+。合成洗剤のカウントはすべて-を示しています。良いものは良い波動を示し、悪いものは悪い波動を表すようです。」というのは御社のコメントです。

このような記事を載せておいて、「波動」に対して肯定も否定もしていないという言い方が通用するのでしょうか。

かって「シャボン玉友の会だより」において、No.13では、「御社とエルセラーンは手離しません」との記事を載せ、次号でエルセラーン化粧品について、「文面どおりを掲載したために誤解をまねきました。弊社の調査では、成分・効能等であやふやな点があり、また実際に使用された方からの苦情等もあり、ご迷惑をおかけしました。」として訂正記事を載せました。わたしはその姿勢に深く感動し、御社への信頼を高めました。

森田社長は、「つねに正しい情報の提供を心がける」(「シャボン玉友の会だより」No.7より)ことをモットーにしておられたはずです。

「波動」による催眠商法で被害を受けている人は全国にたくさんいます。
再度「波動」に関する御社の態度を問います。

以上5点の再質問です。お忙しい中まことに厚かましいお願いですが、10月10日までに文書にてご回答いただけますようお願い申し上げます。

今回の質問は決して唐突なものではないはずです。特に炭酸塩の問題に関しては、森田社長に直接申し上げていますし、平安さんには幾度となく、営業の金井さんには昨年11月に弊社にご来社の折に申し上げました。どなたもわたしの意見に対し「炭酸塩を攻撃するつもりはない」とお答えになっていました。

弊社はそれを信じて、8年間にわたって御社の商品の販売を続けてきたのです。御社には上記の質問に、誠意を持ってお答えになる責任があると思います。

弊社は弊社を通してシャボン玉石けんを使っている多くの方々に、きちんと説明しなければならないのです。

どうかわたしの質問に対し真正面からお答えください。よろしくお願いいたします。

なお、御社とのやりとりにつきましては、すべて公開させていただきますのでご了解ください。

草々

(資料(1))シャボン玉友の会だよりNo.42 3ページ3段目から5段目に掛けて
(資料(2))シャボン玉友の会だよりNo.34 6ページ1段目から2段目に掛けて

なお、99年10月13日現在、シャボン玉石けんさんからの回答はいただいておりません。

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