ニセ科学と石けんの諸問題 -重曹の科学と重曹電解水について-

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重曹電解水のその他の「効果・効能」

重曹電解水にちなんだ商品は様々な効能・効果を謳い文句に販売されています。そのなかでも代表的な謳い文句を検証してみました。

「米や野菜などを希釈液に漬けると、残留農薬が溶け出し、液が黄色に変わります」

電解水の変色は農薬には関係ありません。野菜の持つ天然ワックスと若干の色素に電解水のアルカリが反応しただけです。米の場合も同様で、溶出したぬかに含まれる脂肪とアルカリの間で発生した単純な反応です。

そもそも、pH6〜8以外で食品を洗うと食品の質を落とす恐れがあるため、その洗浄液は中性であることがJIS規格で規定されており、アルカリ液で食品を「洗う」こと自体が適切ではありません。重曹は山菜などのアク抜きに利用されますが、「農薬抜き」は荷が重すぎます。

「ご飯にツヤと粘りが増して新米の様においしくなります」

アルカリ剤に米を漬けると可食部がアルカリによって溶けてしまうので損です。強引な見方をすれば、酸化されて味の落ちた米の表面がアルカリによって溶かされ「再精米」と同じような効果が得られると言えなくもありませんが、時間や力の強さを制御できる精米器と違って米が溶けすぎたりアルカリが残留したりするデメリットの方が大きそうです。

「薄めて使えるのでお得」

前述したように、電解水やその生成器には異常な高値が付けられています。それを多少薄めて使ったところで大して「お得」にはなりません。

余談ですが、弱アルカリ性の水を「やさしいpH13の強アルカリに仕上げました」という洗浄剤があります。まず、弱アルカリだから全く安全などということはありません。アルカリの蛋白質分解はゆっくりなので、「やさしいと書いてあったから」と放っておくと後でひどいことになる場合もあります。

更に元がどんなものであれ最終形態のpHが13ならば、それは間違いなく危険物質です。体に付くと皮膚が溶け、目に入れば 失明する恐れもあり、間違っても「やさしい」などという言葉と結び付くものではありません。無理解もここまで来るとある種の感動さえ覚えますが、金儲けのためによく知りもしないジャンルに手を出して消費者に迷惑を掛けるのはやめてもらいたいものです。

その他の「界面活性剤不使用の環境に優しい洗剤」について

電解水以外にも、現在以下のような「イオン効果」による「界面活性剤不使用の優しい洗浄剤」を謳った類似商品が一部の生協や自然食品の宅配および自然食品店などで販売されています。

パジャン

「重曹の持つ洗浄作用をヒントに重曹水を電気分解するという全く新しい視点から開発された」
「界面活性剤の力を借りず、マイナスイオンの力で汚れを落とします」

マザータッチ

「重力波物質であり、重力波を放出しております。それ故マイナスイオンの放出力がすばらしく、優れた抗酸化力を発揮いたします」

ランドリー・クリーンリング

「洗濯機に入れて回すと、リング内の組織水からイオン電子が振動によって発生。これが洗濯水に働きかけ、分子クラスターの小さな組織水化させます」

創生水生成器

「創生水はマイナスイオン・活性水素を多量に含む還元水です。」
「トルマリン水は、ラジエターに入れると燃費が良くなる、洗浄力抜群で洗剤無しで洗車できる、重油を分解する力がある、飲むと健康増進に役立つ」
※トルマリン水(創生水)製造装置として、イオン交換樹脂込みで200万円以上で販売されている。

「口に入れても安全」「美容にもアトピーにもよくて、お肌がつるつるに」「完全無添加・無機質・無公害の夢のような洗浄液」……このような宣伝は、子どものために安全を求めている親たちや、アトピー性皮膚炎などで苦しんでいる人たちに必要以上の強力さで訴えかけ、大きく心を揺さぶります。

また、環境のため安全のためと一生懸命になりすぎたことで却って混乱し、よく考えれば根拠のない「科学的」な売り文句に引っかかってしまったというのもよく聞かれる話です。

販売者がこのようなニセ科学的商品を取り扱うべきではないのはもちろんですが、消費者自身もそのような無駄なものを買ってしまわないよう、普段から「?」と思ったらすぐに調べて確認するという習慣を身につけておくことが大切です。

(界面活性剤については、別項『重曹の科学と洗浄性 −界面活性剤への偏見と理解不足−』をご参照ください。)

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