ニセ科学と石けんの諸問題 -重曹の科学と重曹電解水について-

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「天然」重曹について

通信販売などで「天然重曹」と銘打った製品がよく販売されています。その売り文句は大体以下のようなものですが、それらには多くの間違いあるいはごまかしが見られます。

「天然鉱石からの重曹でなければ、効果が半分になる」
「天然だから粒子が細かく、鍋の焦げ付きも合成重曹よりよく落ちる」

まず、重曹の原料であるソーダ灰には天然ソーダ灰と合成ソーダ灰がありますが、「天然重曹」などという化学用語はありません。そして天然由来の重曹でなければ働きが弱いということもありません。

どのような原料から作られようと、できたものが炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)であればそれは「重曹」です。そこから更に不純物を取り除くなどの手を加えて高品質なものに仕上げるか、そこそこの処理で止めておくかの違いによる品質の差は存在しますが、それは天然由来かどうかとは全く別の話です。

「洗濯に使った時のふんわり感が合成重曹とは違う」

重曹洗濯については後述しますが、そもそも重曹は通常の洗濯向きのアルカリ剤ではありません。どんな原料の、どのグレードの重曹でもそれは同じです。

「浴槽の湯に入れても、肌当たりが合成重曹より優しい」

精製度が同じ重曹であれば、原料が天然・合成どちらでも同じです。

「天然の重曹を含んだトロナ鉱石の採れる鉱山は地球上に少ない」
「最近まで他国人が入れなかった秘境で掘り起こされた」

このように希少性を強調する業者もありますが、重曹の原料である天然ソーダはアメリカ合衆国、ケニア、エジプト、南アフリカ、メキシコ、ペルーなど、世界の60ヶ所以上で採掘することのできる、ありふれた物質です。

「合成重曹は塩と石灰石とアンモニアを反応させて作られ、塩化アンモニアが不純物として残る。だから合成重曹は臭い」

アンモニアソーダ法という製造方法により製造された重曹は、アンモニア臭がする可能性がありますが、現在、国内メーカーでアンモニアソーダ法を採用しているメーカーはありません。

秘境の鉱脈から命がけで(?)掘り出した鉱石から精製しても、工場内で化学的に合成しても、化学式がNaHCO3で、精製度が同じであれば全く同じグレードの重曹であり、全く同じだけの働きを期待することができます。天然ものだからと有り難がる必要は、こと重曹に関しては、全くないことをよく覚えておきましょう。

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