炭酸塩のはなし−1−
最も代表的な炭酸塩は炭酸ナトリウムで、炭酸ソーダともよばれ、その無水塩はソーダ灰、10水塩は洗濯ソーダとよばれ、古くから石けんのアルカリ助剤として用いられています。
炭酸ナトリウムは粉石けんに20〜40%入っていて汚れ物による洗濯液の酸性化を防ぎ、石けんカスの発生を防ぐために重要な役割を果たし、さらに粉石けんの溶けをよくします。
炭酸ナトリウムの仲間には過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)、重炭酸ナトリウム(重曹)があります。身の回りにある酸やアルカリはいろいろな性質を持っていますが、どちらも他の物質を溶かしたり、分解したりする働きがあります。
水に溶けて水素イオン(H+)を放出する化合物を酸といい、水酸化物イオン(OH-)を放出する化合物をアルカリといいます。
青色リトマス紙の色を赤く変える水溶液を、酸性の水溶液といい、酢・炭酸水・ほう酸水・塩酸・硫酸などがあります。
赤色リトマス紙の色を青く変える水溶液を、アルカリ性の水溶液といい、石灰水・アンモニア水・水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)水溶液・水酸化バリウム水溶液などがあります。
硫酸が水に溶けると

のようにイオンに解離して、水素イオン(H+)が水の中に出てきます。硫酸、塩酸、硝酸はどれも水に溶けたときに水素イオン(H+)の量が多くなり、強い酸性を示します。これに対しリン酸、フッ化水素酸、炭酸などは水素イオンの量が少なく弱酸と呼ばれます。
水に炭酸ガス(CO2)を圧力をかけて溶かし込んだものが、ソーダ水、ラムネ、サイダーなどの炭酸飲料です。
強アルカリ性の薬品の代表的なものに、苛性ソーダ(NaOH)や苛性カリ(KOH)があります。これらは水に溶けると、水酸化物イオン(OH-)の量を多く出し、強いアルカリ水溶液になります。

炭酸ナトリウム(Na2CO3)は食塩水をアンモニアで飽和した後、石灰石(炭酸カルシウム:CaCO3)の熱分解により得た炭酸ガスと反応して炭酸水素ナトリウムに変え、さらにこれを加熱し脱炭酸することにより得られます。炭酸ナトリウムや炭酸カリウム(K2CO3)は、それ自体は水酸化物イオンを持っていませんが、水に溶けると、

の反応によって弱いアルカリ性を示します。
苛性ソーダや苛性カリは強アルカリですから、劇薬に指定されていますが、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムは弱アルカリですから、家庭内でも安心して使用できるのです。
重炭酸ナトリウム(NaHCO3)も弱いアルカリ性を示し、重曹とも呼ばれ、料理などにもよく用いられます。すっぱい夏みかん(酸)に重曹(アルカリ)をかけて酸味を中和したりします。
炭酸ナトリウムに過酸化水素(H2O2)がくっついたものが酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム:2Na2CO3・3H2O2)でこれも弱アルカリ性です。
|