石けんの製造方法(1) けん化法と中和法
石けんができる化学反応には、油脂をアルカリで加水分解するけん化と、 脂肪酸とアルカリが直接反応する中和の2通りがあります。
この化学反応を利用して、実際に石けんを製造する方法としては、次のようなものがあります。
| 反応名 |
製法名 |
| けん化 |
けん化塩析法 |
| 焚き込み法 |
| 冷製法 |
| 中和 |
中和法 |
1.けん化塩析法
油脂に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を加えて加熱してけん化し、 得られた石けん膠(にかわ)※を塩析して、
ニートソープ(石けん素地)とグリセリン、不純物を分ける方法です。純度の高い石けんを作ることができます。
2.焚き込み法
油脂に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)または苛性カリ(水酸化カリウム)を加えて加熱してけん化し、 得られた石けん膠を塩析せずに仕上げる方法です。
家庭や地域で小規模に作られる廃油石けんの作り方は、これに当たります。 グリセリンの他、未反応の油脂や油脂中の不純物もそのまま残るため、石けんの純度はあまり高くなりません。
カリ石けんでは塩析ができないので、この方法が用いられます。
3.冷製法
油脂に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を加えて撹拌し、加熱せずに反応熱だけでけん化を行い、 得られた石けん膠(を塩析せずに仕上げる方法です。
家庭でも作ることができます。「お風呂の愉しみ」(前田京子著、飛鳥新社)で紹介されているのは、この作り方です。 焚き込み法と同様、グリセリンの他、未反応の油脂や油脂中の不純物もそのまま残るため、石けんの純度はあまり高くなりません。
4.中和法
あらかじめ油脂を脂肪酸とグリセリンに分解しておき、 脂肪酸を苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)または苛性カリ(水酸化カリウム)で中和する方法です。
脂肪酸の配合を自由に決めることができ、刺激性の低級脂肪酸を容易に除くことができるなど、けん化塩析法と比べて有利な点もありますが、 中和法で得られた石けんは、けん化塩析法の石けんと比べて変敗しやすいともいわれています。
※膠(にかわ) (1)器物を接合させる接着剤。動物の皮や骨を煮つめて作る。(2)ねばるもの。にかわ状の液。
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