炭酸塩と酸素系漂白剤

石鹸と酸素系漂白剤、両方入れて洗濯すれば漂白もできて一石二鳥? 残念ながら違います。その理由とは?

無添剤石鹸で洗濯をするときに、「石鹸洗濯に起こりがちな黄ばみ黒ずみを解消できる(注1)」として、酸素系漂白剤(注2)を加えるよう勧められることがあります。しかしそれはあまり意味がありません。理由は以下の通りです。

  1. 過炭酸ナトリウムは水に溶けると炭酸ソーダ(炭酸塩)と過酸化水素に分かれ、その過酸化水素から発生した活性酸素によって漂白を行います。しかし、その作用が効果を現すには約40度以上の水温と、20分以上という時間が必要です。一般家庭の洗濯でその条件を毎日満たし続けるのは容易なことではありません。
  2. 過炭酸ナトリウムから発生した漂白成分・活性酸素は、石鹸と一緒に使うと石鹸分とまず反応してしまうので、衣類の汚れにまで手が回りません。過酸化水素を水でうすめたものがオキシフルですが、石鹸液の中でオキシフルの泡が一瞬たち、その直後に石鹸に反応してたちまち消えてしまうという図式です。これでは漂白作用は期待できません。

無添剤石鹸で洗濯するとき、助剤に適した炭酸ソーダが手元にない。そんなときに炭酸ソーダの代用品として過炭酸ナトリウムを使うことには意味があります。石鹸液の中で過酸化水素を放出した過炭酸ナトリウムは、炭酸ソーダになるからです。過酸化水素の分、炭酸ソーダの分量は少ないので、純粋な炭酸ソーダよりも少し多めに使う必要があります。

注1:洗濯石鹸を適正に使えていれば、衣類がことさらに黄ばんだり黒ずんだりすることはありません。

注2:「酸素系漂白剤」には、過炭酸ナトリウム(過炭酸ソーダ)のほかにも過ホウ酸ナトリウム、過酢酸などがあります。日本の一般家庭では過炭酸ナトリウムが主流になっているので、ここでは過炭酸ナトリウムに限って解説しました。

2009年11月11日