酢酸・お酢とは

酢酸・お酢の化学的な性質と特徴、主な用途、使用上の注意などをご紹介します。

酢酸はお酢に4~5%含まれる、酸っぱさの元になる成分。クエン酸と違って揮発性なので、ツーンとする刺激臭があります。自然界の中にも様々な形で存在し、合成繊維(ビニロン)や合成樹脂の主要原料にもなります。

酢酸が含まれているお酢は昔からいろいろな場面で使われてきました。調味料のほか、食料品の防腐剤として、卵酢やバーモント療法(リンゴ酢と蜂蜜を使った民間療法)などの民間薬として。また、その刺激臭を利用して気付け薬に使われることも。

飲食用以外では、水回りや電気ポットの中にできるガリガリ汚れ落としや、石鹸シャンプーのリンスにも使えます。臭い消しでは重曹が有名ですが、トイレのアンモニア臭はアルカリ性なので酸で中和できる酢酸の方が断然効果的。スプレーに入れてトイレに常備すれば毎日の掃除が楽になります。

台所で普段から見慣れているお酢と、その成分である酢酸。化学的な性質をよく知れば、さらに活躍の場が広がることでしょう。

化学名 酢酸
化学式 CH3COOH
英語名 acetic acid
酢酸の特徴
  • 食酢の成分で、水溶液はpH4~5の弱酸性を示します。
  • 酢酸臭とよばれる独特の酸っぱい臭いがあります。
  • 日本薬局方の30%酢酸か、食酢(酢酸濃度は5%前後)が一般家庭では使いやすいでしょう。30%酢酸は、そのままでは酸がきつすぎるので、使う前に6倍に薄め、食酢相当の5%水溶液にしておくと便利です。
  • 水分を含まない、100%の酢酸は気温が下がると凝固するので氷酢酸と呼ばれます。引火性や腐食性があるので消防法による「危険物」に制定されます。(第四類・引火性液体「第二石油類」。灯油と同類)
  • 「お酢」を掃除に使うなら、アルコール酢(ホワイトビネガー)がお勧めです。醸造用アルコールを発酵させて作るお酢ですが、成分が純粋な酢酸水溶液とよく似ています。調理用の米酢・穀物酢・果実酢には、酢酸以外に色々なうまみ成分が含まれるので掃除向きではありません。
酢酸が得意なこと
  • 水垢など、固い汚れを酸の力で溶かしてきれいにします
  • ある程度の殺菌作用があるので、清潔に保ちたい所の掃除に適しています
  • 少しなら口に入っても問題ないので、台所回りの掃除にも安心
  • アルカリ性の物質を中和して汚れや臭いを落とします

使用例

  • トイレのアンモニア臭対策に
  • 石鹸シャンプーでアルカリ性に傾いた髪のpHを弱酸性に戻す
  • 石鹸洗濯の仕上げ剤として
酢酸が苦手なこと
  • いわゆる「洗浄力」はほとんど無いので、お洗濯には向いていません
  • 酸性の物質による臭いは消せません
使うときの注意点
  • 大理石には使わないこと。大理石の主成分は炭酸カルシウムなので、酸で溶けてしまいます。
  • 酢酸よりも濃度が濃い「氷酢酸」は危険物。一般人が扱わない方がよいでしょう。買うなら「酢酸」を。
  • 酸性のため、粉や水溶液が目に入ると強い痛みを感じます。清潔な水で十分にすすぎ流し、痛みが残る場合は医療機関に相談してください。
  • 食酢に含まれる成分なので、ほんの少しなら口に入ってもそれほど心配はありません。大量に飲み込んだときは適切な医療機関にご相談ください。

2009年11月11日