● これだけは知っておきたい石けんの特性
石けんには、他の界面活性剤と大きく違う特性がいくつかあります。この特性は、石けんが環境や人体に優しい大きな理由でもあります。石けんの特性を知らずに使うと、うまく洗えないことがありますが、特性を知って使えば、失敗しません。
特性1:薄まると汚れを手放してしまう
石けんは、ある程度以上薄くなると、それまでつかんでいた汚れを手放してしまう特性があります。(界面活性を失うといいます。)ですから、食器を洗うときにためすすぎをすると、せっかく落とした汚れが再付着してしまいます。石けんで洗った食器は、水がかからないようにしておき、1枚ずつ流水ですすぐと良いのです。また、洗濯のときも、石けんがあまり薄いと汚れが落ちないので、泡立つ程度の濃さを保ちましょう。
薄めるだけで界面活性がなくなるということは、すすいだ後の肌の上や排水の中では働かないということで、他の界面活性剤と違う、石けんの特長のひとつです。
特性2:酸に弱い
石けんは酸に出会うと、中和されて効果がなくなってしまいます。食べ物の汚れは酸性のものが多いので(醤油、酢、ケチャップ、ソース、マヨネーズ、果汁など)、石けんで食器を洗う前に、前もって落としておきましょう。(古布や野菜くずで拭き取る、ゴムベラで落とす、水で予洗いする、など。)
衣類についた皮脂汚れも、酸性です。衣類の場合、食器の汚れほど濃い汚れではないので、よほどひどい場合以外は予洗いの必要はありませんが、石けん液のアルカリ性を保つために、炭酸塩(アルカリ剤)の配合された石けんを使うようにしましょう。
特性3:ミネラルに弱い
石けんは水の中のミネラル成分(カルシウム、マグネシウムなど。硬度成分ともいう)に出会うと、水に溶けない金属石けん(俗に石けんカスと呼ばれる)になってしまいます。金属石けんには、肌にキュッとひきしまるような爽快感を与える、髪の毛にツヤを与えるなど、良い点もありますが、たくさん残ると見た目や手ざわりが悪いなどの欠点があります。でも、金属石けんがあまり残らないように工夫して使えば、国内のふつうの水質の場所では、ほとんど問題はありません。(洗濯や食器洗いには、ミネラル成分に強い炭酸塩やケイ酸塩の配合された石けんを使う、シャンプーの後は酸性リンスで金属石けんを落とす、など。)特にミネラル成分の多い水質の、海外や国内の一部地域を旅行するときなどは、石けんを使わない工夫をしてみましょう。必要な場合は、ミネラル成分に強いヤシ油(ココナッツ)石けんを使うのも良いでしょう。
特性4:冷水では溶けにくい
石けんは、20℃以下の冷水では溶けにくく、汚れ落ちも良くないので、20℃以上の水で使うよう、洗濯にはお風呂の残り湯を活用する、台所でもぬるま湯を使うなど工夫しましょう。(もっと高温が必要な種類の石けんもあります。)20℃というのは、手をつけてみてひんやりする程度の温度です。やむを得ず、手がしびれるような冷水で洗濯や食器洗いをしなければならないときには、なるべく石けんを使わない方法を工夫したいものです。
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