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● アルカリとはアルカリという語は、アラビア語のal qily(灰)に由来しているとされていますが、もとは陸および海の植物の灰(主成分は炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウム)に対する総称で、現在では主としてアルカリ金属の水酸化物およびアンモニア、カルシウムやバリウムの水酸化物をさしますが、そのほか炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウムなど水に溶けてアルカリ性を示すものにも広く用いられています。 植物を焼いた灰を水に浸したときに得られる上澄みをアク(灰汁)といい、強いアルカリ性を示し、洗浄作用があるので、古くから洗剤、漂白剤として、また染色などに広く用いられていました。 旧約聖書に記載されている石けんに相当するものは、実は灰汁=アルカリ水溶液であったと考えられています。 「洗濯絵」というものがあり、日本で最も古い平安末期のものといわれる国宝の「扇面古写経」には川の中で踏み洗いをする様子が描かれています。重文「信貴山縁起絵巻」や「石山寺縁起絵巻」、江戸時代の浮世絵などからも、日本古来の洗濯法は「踏み洗い」であったことが分かります。 さて洗濯剤はといいますと、日本では昔から木灰の灰汁(あく)が主体で、そのほか、サイカチ、米のとぎ汁、大根や芋の煮汁なども使われていました。江戸時代には灰汁桶(桶の中に水を満たして灰を入れ、底の栓口から灰汁が滴るようになったもの)が各戸に置かれていて、この灰汁を用いてたらいで手洗いが行われていました。 このように昔から長い間、灰汁が洗濯に使われていて、ごく最近まで木造家屋の洗浄にも「あく洗い」として用いられていました。 日本に石けんが入ってきたのは、織田・豊臣時代の天文12年 (1543)にポルトガル船が種子島に漂着した時に、鉄砲やコンペイ糖などとともに「シャボン」が持ち込まれたのが最初であったとされています。 しかし、「シャボン」を製造する技術が伝わらなかったこともあり、日本で石けんが一般庶民に使われるようになったのはそれから300年も後の明治以後で、それまで石けんは主に下剤や腫れ物用軟膏として薬用に使われていたのです。 |
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