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【日本の石けん運動の歴史】政府の対応(1)

1962年1月 柳澤文正・文徳両博士が、お茶の水学会で「石油系の合成洗剤は決して...

1962年1月 柳澤文正・文徳両博士が、お茶の水学会で「石油系の合成洗剤は決して無害ではない」という発表をして以来、何回かの国会論争(後述)があり、ついに科学技術庁研究調査局は、15,469,000円を投じて、追試を行うことになりました。研究に加わったメンバーは、厚生省の役人を中心とする食品衛生調査会の委員など255名です。

この研究報告書(中性洗剤特別研究報告)は、総論と各論の5冊にまとめられています。まず始めに「本書が中性洗剤問題解決の指針として広く活用されることを切望する」と書かれているにもかかわらず、この報告書はなぜか科学技術庁の金庫の中で眠っていて、一般に公開されることはありませんでした。私たち合成洗剤追放運動仲間では『幻のデータ』と呼ばれています。

柳澤文正先生は、並々ならぬ苦労をされてこの報告書を入手しました。その中には先生たちの研究(「決して無害ではない」という研究報告)と同じ結果が出ているもの、さらにはそれ以上の毒性が強調されている報告さえあるのです。例えば、皮膚に塗るだけで皮膚から吸収し、しかも塗った量の0.53%(5.300ppm)の量が血液に入り、肝臓に移っていくと明記されています。さらに肝臓のミトコンドリア活性は0.02~0.2ppmのABSで阻害されるという結果も出ています。ミトコンドリアというのは、細胞の呼吸の中心で、これが阻害されるということは、細胞の破壊を意味していて、当然のことですが肝臓障害が起こることになります。この数字から先生は、1回の洗濯で数万~数百万の肝細胞が阻害されることになると言明しています。厚生省は今でも合成洗剤は皮膚から入らないと主張しているのはなぜでしょうか。さらに「通常の使用では無害」と言い切る厚生省の態度に、怒りを覚えます。

1962年に参議院社会労働委員会で合成洗剤問題が取り上げられ、文正先生が参考人として出席され、合成洗剤の毒性について話をされました。それから1975年までの間に、この問題は毎年議題に上がり、先生の記憶では25回に及んでいます。この間に、合成洗剤の害毒を認めた大臣は、神田博厚生大臣・園田直厚厚生大臣・田中角栄総理大臣(いずれも当時)などがあります。次回は、会議録からこれらの要旨を拾います。

『日本洗剤公害レポート』:貧弱な厚生行政と企業の横暴:柳澤文正:参考)

※このコーナーでは、石川貞二さんの文章をそのまま掲載しています。当「石鹸百科」とは異なる見解が含まれていることがあります。

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