地球に生きる一員として

合成洗剤追放の原点ということで一年以上この欄に連載させていただいて、もうこれ以上書いてもしかたがないような、まだまだ書き足りないような複雑な気持ちです。始めの約束では50回位ということでしたが、何となく私自身がだらけてきたので、もうここらで終わりにしたいと思います。長い間のおつき合いありがとうございました。執筆の機会を与えていただいた日消連に心から感謝しています。長い連載の中には、言葉が足りなかったり、表現の方法が下手だったりしたため、連盟に御迷惑をかけたこともありました。また読者の中にも不快に思われた方もおられたかもしれません。おわびします。

日本では小さい方の代表みたいな鳥羽市(人口29,200人)の一介の水産課長にすぎない身分で、時にはまったく専門外のことなども書いて、恥をカイタような気もしますが、離島住まいの私がこの連載をさせていただいたおかげで、全国各地の人びとに名前を覚えていただけたことは、今後の私の運動にとって大きなプラスになることと思います。

とにかく猪突猛進型になりがちの私の周囲で、いつも手綱を引き締めてくださった「合成洗剤をボイコットする連絡会」鳥羽センタ-のメンバ-に感謝します。最後に、敬愛する梅津濟美先生の言葉を拝借してこの連載を終わります。「地球上には三百万種の生物が棲息しているのだから、人類が地球上で生きる権利も三百万分の一しかない」(完)

長らくご愛読いただいた鶏鳴の復活版もいよいよ最後になりました。

最後に「地球上には300万種の生物が・・・」とありますが、現在では500万種類位と考えている人が多く、一部には1000万種と言っている学者もいます。もちろん、細菌類なども含めてですから、まだまだ人間に見つけられていない生物も多いでしょう。いずれにしても、この地球上に一番後から現れた生物は人類(ホモ・サピエンス)です。その人類が、今や全ての生物の生活の場である地球を破壊しつつあるのです。よくもまあホモ・サピエンス=知恵のある人・叡知の人などと自分で名付けたものです。ずうずうしいにもほどがると言いたいです。

「合成洗剤をボイコットする連絡会」という会は、10数年前に解散しました。全国的な合成洗剤追放全国連絡会は、全水道が中心になって各都道府県の水道労組がそれぞれ活躍していますが、三重県の水道労組は系列が違うのか参画していません。その代わりに各種労働組合の女性部の代表や、市民運動の代表などが、ごく普通の主婦なども交えて結成したのが、この「合成洗剤をボイコットする連絡会」だったのです。主な仕事が石けんの共同購入の斡旋ということになっていて、あまり運動の方には向いていない会でした。これではいけないと言って、時々軌道修正しようとしましたが、なかなかまとまらずに遂に解散してしまいました。当時から鳥羽センターのメンバーは二人だけで、そのうちの一人が私で、もう一人が現在石川薫になっている女性です。

ここで消費者レポートの『鶏鳴』は終わりましたが、まだまだ言いたいことはたくさんあります。もう少し、お付き合いください。

※このコーナーでは、石川貞二さんの文章をそのまま掲載しています。当「石鹸百科」とは異なる見解が含まれていることがあります。